因果調律的悪役

●運が悪い。くじ運金運いろいろあるが、どれも軒並み悪い。中でもアレだ、「これからこうなればいいのにな」という希望がだいたいツブれちゃうには定評がある。贔屓してるチームを応援に行くと必ず負けちゃう、っちうアレね。こち亀でもありましたな、電化製品で複数の規格が出た場合にその人が買った方が必ず廃れちゃう人。あんなん。


普通の人なら意識的無意識的にできるはずの論理的な予測能力が弱いからってのもあるだろうし、まあ単純に「失敗した行動は記憶に残りやすい」という統計的錯覚もあると思うけれど。とにかく、ワシはワシ自身を「願うと叶わん人間だなあ」と思っている。世の中には対極の人も居るんだろうね。自分がこう思ったらそのとおりになり、贔屓してるチームの応援に行けば必ず勝ち、VHSやプレステやBD以外には目も向けなかった、っちうお人がね。ええ妬ましい。


●んでふと思ったのだけれど、そういうのが行動原理のベースになってる悪役はどうだろうと。正義の主人公たちとことごとく対立し、常に人類に対する敵として行動する男。レギュラー悪役、あるいはラスボス的悪役と設定してやるならば、とりもなおさずシリーズ中何度も負け続けるってことだけれど…その真相は「人類の平和を叶え続けるための行為だった」というね。


つまりまあ、この悪役おっさんはすげえ不運体質の持ち主であり、かくあれかしと願い実行したことは必ず叶わない。でもって何か人類に対する危機的状況が発生しそうになるたび、それにかぶせて同じことしたり、その状況を支援したりする。すると当然その「彼が目論んだ危機」は、あるいは主人公たちの活躍で、あるいはしょーもない事故によって失敗し、かくて世の平和は保たれる…という。


…ラスボス的というよりは、有象無象の敵の一人で30分ネタ、って辺りが適正かな。どっちみちもう、すでにどっかの作品で書かれてそうでもあるが。