ゴシック/フラクタル/放浪息子

GOSICK・8話。オオカミ村の因縁・完結編。桑島法子のハーマイニアさんは桑島法子なので狂乱するのでした、というお話。元から「そういうキャラ」だからしゃァないっちゃそうなんだけど、本当に暴走して自滅するという機能だけを抽出したような人格になっててちとかわいそうな感じはする。足を踏み外して墜落死するシーンも、もっと劇的に芝居っけた演出でヤったげても良かったのにね、とか。んでもまあ、こういう「因習に囚われ隔絶したコミュニティ」のシメとして王道の焼け落ちエンドを演出してくれたので割とヨシとするか。そういやこないだの屍鬼も焼け落ちエンドだったなあ。


何か知らん思わせぶりに登場した大川透ヴィクトリカの母さんは、ラストちらっとだけ姿見せてシマイ。今後に関わる重要キャラってことだろうけど、もうちょっとだけ今回の話に関わってくれても良かったかなとは思う。…赤毛の蓮っ葉シスターも一応キャラの種明かしはしたけど、大川透の人とは何も関係なかったのか。まいいや。


てことで、毎度ながら推理やミステリの要素はイマイチ薄味でテンプレ気味。アニメの制作側が原作からアダプテーションする際から、そこら辺を重視していないような気がする。多分元ネタの小説版は(読む側の補完等もあり)もっとミステリっぽい雰囲気が濃く感じられるような作品なのではないかな。アニメにあってはその分、ヴィクトリカさんのキャラ描写の方に大きなウェイトを置いているのは間違いない所でしょうし、またそれは奏功してるとは思いますが。でも個人的には今回のようにマジ叫びしてるより、ちょっとスネたり小バカにしたりっちうヴィクトリカさんの方が賞玩に値するのですがね! 実にどうでもいいっすね!


フラクタル・6話。さいはての村にてヴィンテージテクノロジーのおっさんに出会い、あとロスミレの別派閥に出会い、ついでにフリュネさんがすっぽんぽんを見せる話。さて、これからしばらくはこんな感じでタイガーモス号で各地を回りながら1話完結を積み上げていく、っちう感じになるのかな。


見るっからに怪しいロスミレ一派・アラバスター。その名前どおり小奇麗な外見ではあるが、やってることはどうもえげつない。予防接種と称して人々のフラクタル受信器官を破壊し、そして戦士として徴用する、っちうね。テンプレなのはいいとして、クレインに初見は「いい人ぽいな」とか思わせる展開ならもうちょっと胡散臭くないようなデザイン(外見も行動も)にしといた方が良かったのでは…ってまあ、どのみちすぐバレるからいいか。あと(あまり必然性もなさそうな)虐殺拉致シーンのとき、クレインさんだけ普通に逃げられた、てか追っかけてくる描写も無いのはちょっとどうかなとか思った。


フラクタル圏外を無くそうと苦闘しているおっさんにカメラをもらうクレインさん。ひょっとしてこのおっさんはクレインさんのホンマのお父んじゃないか、という余韻を残しつつ続く。一話から出てたあのドッペルお父んは関係性だけの別人、っちうことかしら。…あと、フラクタルによる風景テクスチャが実際の地面等とズレてる(おかげで転落したりする)ってのはちと困りものだな。他の地域ではどうしてんだろう。数日程度のアップデート間隔だと、こういう事故が多発しそうだけど。


放浪息子・6話。文化祭当日、倒錯劇ロミジュリの開演である。めんどくさい人だけどキモは据わっているさおりんはともかく、もう一人の主役であるジュリエットまこっちゃんはまごまごしている。にとりんじゃないのか、なんだ似合わないな云々のプレッシャー…それを乗り越えた要素はさおりんの視線。自分をちゃんと認めてくれる人がいる、そういうことだ。開口一番で「ごめんなさい、もう一回!」はかなり危ない橋だったとは思いますが、まあ結果良ければ。


主役二人の代わりにまこっちゃんとさおりんがメインの回、ですな。人当たりが柔らかく、かつテキトーに状況をいなせる素質持ちのまこっちゃんは、うん、さおりんの友人としてはエエんじゃないっすかね、いろいろと。それでも自分の外見にコンプレックスを持ち、気弱なキャラには変わりない彼だけれど、その弱さもある程度はさおりんによって支えてもらえる…いや、さおりんのこっちゃし通り一遍の素直な支え方はせェへんやろけど、精神的にいろいろとね。


毎度ながらよう計算された画面構成が上手い。今回は冒頭、ちと沈んでるまこっちゃんの隣に「空気読めないさん」が登場するシーンやな。対照的なキャラを画面真ん中の線で区切って同時に見せるっちうね。…しかしこのメガネさんの無神経ぶりはすげえな。あっちこっちで場を引っかきまわしてかつ自覚は無し、というねえ。ベンリなジョーカーキャラ、かしらん。