●STAR DRIVER 輝きのタクト・5話。今までもチラチラ登場してた保険医・オカモトさんの担当回。桑島声のキャラなのでさぞかし妙なシカケのあるお人なんだろうなあ、と思ってたらショタ萌えヘッポコお姉さんでした、という話。…今までの綺羅星さんたちは「表の普通の顔と裏の悪の顔」というありかただったんだけど、この人は裏も表もヘッポコいのな。ちうか、こんなに毒っ気の無い桑島法子さんは久しぶりかもしれない。正調少女演技な姐さん、やっぱかわいぞ。ヒューッ。
予知能力を操り若返り能力と妙なクスリで周囲を魅了する…という結構なチート能力を引っ下げて登場、見え隠れするショタ萌えという性格的な隙も「謎の敵キャラとしてのフレーバとしてアリやな」って感じだったのだが、ねえ。タクトさんの渾身の攻撃シーンを予知するも、そのキラキラなお姿に姉さまうっとり状態でついヤられてしまう、というとんでもなく拍子抜けな幕引きがすさまじい。そらみんな「へ？」ってなもんですよ。ワシもリアルで「え？」つっちゃった。ワシの負け。
それにしても、普通に戦ったらほぼ勝ち目の無い能力だったが、これでシマイなのか？ 普通の組織なら再挑戦して磐石の勝利を狙いにゆくだろうけど…そんなことしないんだろうなあ、この作品の場合。時空を制御するという無茶な能力をただ美少年ハント目的にのみ使用し、その度に周囲の環境に強大なストレスを与えちゃう桑島ねーさん。ああもう火山が噴火しちゃう！ っちう判りやすいリビドー表現はどうしたものか。バカだなあ。
どうも今んとこ、危機感や切迫感の薄い…いや、背景的にはシリアスなネタもあるんだろうど、あまりそれを顕在化させないような状況だな。これはこれで楽しいのでワシは構わんですが、「そろそろちゃんとストーリィを語れや！」と思う人もいるかもね。あと、最近は戸松っちゃんの人の語りがどんどんとアグレッシヴになってますが、大丈夫か（何が）。
●パンティ＆ストッキングwithガーターベルト・5話。ハナクソ話とゲロ話、という実にサイテエなカップリングでお送りする2編ではあるが、そのテイストはお互いに結構異なるものでありまして。まずAパートのハナクソ話、こちらは割とストレートな下ネタ…それもうんこちんこレヴェルのバカ話。とにかく登場人物全員でハナクソほじって大爆発する、というそんだけのネタであり、毎度ながらものすごく内容がないのであってそこがいいんじゃない！ 濃いィ感じのイケメンゴーストを杉田智和が気持ちよさそうに演じておられた。得意そうね、こういうアドリブの利きそうな役。
問題はBパート…ってこの作品の場合、大概Bパートが問題であるような気がしてきたがまあそれはともかく。タイトルの「ヴォミッティング・ポイント」（バニシング・ポイントが元ネタなんだろうなあ）という名前と背景のお好み焼きを見て「また汚物ネタかいな」と思った途端に作画が異常になる。シルエットとフラフラ動きとフラットな質感、今までのカートゥーン的なデフォルメとは真逆の「地味リアル作画」な雰囲気にひっくり返るワシ。ううおお、なんかすげえぜ！ 人物作画もすごいが、路地にあふれるゲロの動きも割とたまらん。作画監督は向田隆だけど、この辺のテイストは演出の小林治のノリも強そうだすね。
いやあ、これはこの作品のアメコミノリあってこその悪ふざけだわなあ。悪ふざけはここまで徹底してこそ生きるってもんだ。しょーもなくもうすら寂しいサラリーマンネタで押し通し、ペーソスを利かせたちょっとエエ話な雰囲気で終わらせる、そこらへんのセンスも手抜かりがない。情けない窓際会社員に清川元夢、その上司に屋良有作、という布陣も…ちょっと効果的過ぎて参るわ。元夢じいさん、あいかわらずガイナックスには好かれてますなあ。てことで…うん、もう、この作品は好いたようにしたらエエよ。うん。
●そらのおとしものｆ・5話。前半はシナプスと夢とスガタ先輩の冒険の話。割とシリアスかつお話の核心に近い要素のパートであり、それだけにちょっと退屈かなとも思ったが、ちゃんと先々への興味をもたらすような雰囲気もあって悪くなかったな。お懐かしの根谷麻弥コンビの登場とか先輩の抜け目ない才覚とかの見所もあり。しかしこの「世界の謎」はちと不穏だな。シナプスの人々の夢が地上世界の現実っちう構造なのもデカいギミックだが、その中で先輩は「現実」ということは…さて、この町は現実と虚構（夢）のパッチワークなのか？
…というなかなかに思わせぶりな雰囲気を、完膚なきまでに粉砕するBパートが相変わらず素晴らしい。天から落ちてきたシナプステクノロジを、これまた再登場のパンツロボに組み込んで…という話の流れも少々アレだが、何故かザボーガー的に変形するデザインといい、無駄に感動的な自己犠牲譚といい…挙句にパンツロボの声が石田彰である。何故！ 何故にそんな見事な無駄遣いキャスティングを！ そういや保志さんと石田さんって、割と関係の深い役所が多かったっけ。
そしてエンディングはff。あの熱い名曲の台無し加減がこれまた。ひょっとして今作の「ｆ」とかけてますか？ っちうのもともかく、このツーリングシーンにカップめんが出てくるのはひょっとしてカップヌードルのCMネタか。毎度ながらオッサンくさいネタチョイスだぜ…！
