荒川/四畳半/さらい屋五葉/ヒーローマン

荒川アンダー ザ ブリッジ・11話。荒川下世界の存亡の危機にあって、リクさんは考える。再開発の手が伸びるのならば、自分で再開発計画を立ち上げればいいじゃないか。ここにきて初めて、彼の能力が生かされる時がきたってワケですな…いやまあ、ニノさんの恋人とか教師とかいう役割もありましたけれども。てことで、どうやらキッチリと「物語の一応のシメ」っぽいエピソードになりそうでんな、これ。


敵対する主体が父の企業ってことで、これは彼なりの父殺しなのだろう。アバンの一連のシーケンスで「外へ外へ」と世界を乗り越えてゆく描写どおり、今リクさんが越えようとしているのは父の世界。自分一人が逃げるのではなく、ニノさん(とその他もろもろ)と一緒に超克するべき壁としての父。…だがまあ、まだ今んところはケータイで直談判する境地にまでは至ってないようで。この要素がラストの仕込みとなるのかな。


身だしなみを整えれば一見はビジネスマンだし、それなりのオーラもあるし、業務的会話もできるし、っちうシロさんはこういうとき便利なキャラっすねえ。…なんちうか、この人には他の住人には無い妙なリアルさが感じられるなあ。デキるサラリーマンがある日突然強迫観念にとっ捕まってこーなっちゃった、っちうね。いや、リアルだからってどうこうはねーんですけどね。まあ。


四畳半神話大系・8話。てェことで承前、残りのペンパルルート・ケイコさんのお話である。相手の姿が見えない文通相手ってのはいくらでも邪推がデケてしまうワケでして、多分文章書いてんのは小津さんだろうなあ、書置きとか妙にキレイな字だったしなあ、とか思いつつ見てたらお相手と知り合ったキッカケが小津さんでしたのでああもうこれはダメですわなあ。案の定ケイコさんの正体は小津さんであったのだけれど、実はもう一ひねり、二代目ケイコさんが明石さんであるというサプライズがくっついてくる。…おや何だ、これがトゥルーエンディングじゃないか。


しかしそこは筋金入りのヘタレである主人公、知られざる過去での邂逅やら何やらとお膳立てされても明石さんから身を引いてしまうのである。…大体何ですよ、小津さんからの引継ぎによって、主人公は明石さんに女性の好みや性癖等、精神的な内面を赤裸々裸々に知られちゃってんですよ? こんなハズカシーモノまで見られちゃった上にそれを使って弄ばれたんですよ? ここは一つ「もうおムコに行けない! 責任とってよ!」ってことで付き合っちゃえばエエやんかいサ。…と行かない所が我らのヘタレ、なんですけどねえ。


狂乱ののち手を空しくして帰宅してきた主人公は、元のしょーもない状況に戻り小津さんにハメられたことを何やら安寧に思っている。無論「そんなワケあるかェ!」とまたぞろ巻戻しに吼えるんだけど、しかし小津さんとの関係性は泥沼というか腐れ縁というか、ハタから見ててお似合いでもあるような気もするよな。…実際、ニセペンフレンドとして主人公の性癖を知り尽くしちゃってる、って段階でもう愛だわなあ。うん。知らんけど。


さらい屋 五葉・9話。囚われのマツさんを救出するの巻。いつも自信なさげでイランことまで口にする、割と小心者のマサさんであるけれど、何故かこの状況下では口調や立ち居振る舞いに迷いが無い。五葉の仲間たちにも慣れてきたってのもあるんだろうが、やはり大事なお人のためである、っちう思いが彼の軸を安定させてるのだろうな。


マツさんに貴方は無鉄砲であると言ったのち、今回は自分もそうだったなと思うマサさん。…人が無鉄砲に/肝が据わった状態になるってのは、それぞれ理由がある。マサさんの場合、それは他人のために動いているということなんだろう。それと上記の慣れですかな。テメエの野暮天を逆手に取った台詞を吐けるようになりゃ充分だ。「言わない方が良かったでござるかなあ」ですってさ。ふへへ。


後半は妹様上京の巻。あの頼んない兄の妹だけに、何やら健気で気のシャンとしたお嬢さんである。うーむ、わざわざこういうキャラが出てくるってことは、マサさんの郷里のゴタゴタ問題もお話に入ってくるってことかしらね。ヤイチさんとヤギさんの係わり合いも気になるところだが、ま、次週を楽しみに。


●HEROMAN・12話。迫り来るNIAの捜査の手を振り切…るっちう本筋はちょっと置いといて、今回はジョーイとリナの逢瀬逢引デエト譚、である。…いやー、ワシ意外とこういう毒ッ気の無いフィラーエピソード嫌いじゃないのよね。何だかんだで仲よさげなストーカー組といい、ここぞって時にジゴロなジョーイきゅんといい、実に他愛なくてよろしい。ちうか教授、ヘンなとこで動じない大人ぶりが何やら頼もしいぞ。そして進藤先生はもっとハジけてもいいぞ。


そして当然ながら今回のメインはリナさんである。たぶんチアコス以外の衣装お披露目は今回が初じゃないかと思うんですが、相変わらず健康的にえろっちくてとても良いと思う。海に来てジョーイに「泳ごう!」と誘うシーン、台詞言うまでのくいっくいっとした動きが「自分のキャラを自覚してるオンナノコ」っぽくてなんか、百点。


んでまあ、こういう息抜き話の後にはちょいとシリアスっぽいネタが続く、ってことでしょうな。Dr.ミナミをカマセとして、ヒューズさんはゴースト/ヒーローマンの尻尾を掴むワケだ。さて、予告を見るとジョーイサイドは逃亡モードに入るようだが…このまま敵同士となっては色々困るぞ。多分、更なる敵の出現によって手を組む方向に行くんでしょうけどね。