刀語

刀語・5話。先週の大裏技、言ってしまえば「奇策」のお話の後ってことでもなかろうが、今回はかなり真っ当でストレートな構成のお話。…まァ構成は王道なんだけど、毎度ながらお題目の刀自体は変化球極まりないものでありまして、というね。賊刀・鎧がその得物、文字通り鎧の形状をした刀…刀なの? これ。楽しいねェ。


他の刀に対して絶対の防御力を持つこの敵に、七花さんは大いに苦戦させられる。しかし刀としての彼が通用しないとなれば、人として相対すればよい…という流れはなかなか上手い。戦術としての「人」の力と、自分の「人」としての存在意義を明らかにすること。この二つがちゃんとパラレルになってんのね。最後まで顔を見せないが、戦いのあとは刀ではなく、一個の「人」として生きていくことを匂わせる敵の校倉さんのシカケもよし。


アクションシーンもまた、今回は奇を衒わない真っ向勝負で気持ちよかったな。お互いにパワーキャラである対戦らしく、一撃のデカい演出がケレン味あってよし。闘技場の垣根を吹っ飛ばす絵とか、ベタでええやないですか。…あとはまあ、とがめさんの「ちぇりお」ネタじゃよね。ここまで引っ張りに引っ張ってきただけのことはある、隠しようもない巨大な恥ずかしさの横溢と暴走がかわいったらしい。温泉シーンの無防備極まりないちちとしりとかもな! …そら七花さんも無自覚に色気づきだそうというものだ。


重要そうな脇役もちらほらと。真庭の棟梁である得体の知れない鳳凰やら、どうやらとがめさんのネメシスらしき否定姫とその御付きやら。「否定姫」っちう名前がこの原作者らしいなあ。人の名前に実にそぐわない、こういう単語をほいっと持ってくる辺りがねえ。本人もその名通りのヒネクレキャラのようですが、ね。