銀魂/デュラララ/ソラノヲト/バカテス

銀魂196話。この国を揺るがす天候異変、それは陰陽師さんたちのご近所トラブルによるものでした、というお話。幕府のお抱え役職をめぐる駆け引きに政略結婚、同職種故の積年の怨念などなどのドロ暗い関係性を「ご近所トラブル」とラベリングしてしまう新八さんの…作者のセンスがバカチンでよろしい。一見切れ者そうな清明兄ちゃんが、こと妹さんのこととなると非常な近視眼的不手際をやらかしてしまう、っちう意外な頼りなさ/人間性も、そういう「市井のゴタゴタ」っぽい印象の一因かもしれん。


…ちうかまあ、期待通りに銀魂的キャラ崩しツッコミを実に折り目正しくやっていただいた緑川兄さんの演技、これだけで割と満足です。「タマキン兄さん」じゃありません。第一ピー音(キン音)が隠蔽道具としてちっとも機能してません。次回は成田剣芦屋道満もどきさんに期待っすかね? しかし成田剣の人はこういうイヤミライバル役、実に似合うなあ。


基本的に若年齢層向け作品である本作だが、たまに「春雨だろうが濡れて参ってやるよ」てな時代がかったネタがあったりするのが面白いな。あとキルステン・ダンスト人気ねーなー! 判らんでもないけど、いや、いいじゃん! かわいいじゃん! 具体的にどこがと言われると返答に窮するが、いいじゃん! ね!


デュラララ!!・7話。平和島静雄さん担当話。その過剰な非暴力的名前で暗示されるとおり、実にストレートで度を越した短気と暴力の権化である静雄さん、である。自販機を十数米もブン投げる人外パワーの理由が「体を自壊しつつ繰り返してたら強くなった」というアッタマ悪い悪いものだったのにかなり好感を持ったりした。うん、強くなったんなら仕方ないね。うん。


シズオ/イザヤ/シンラ、この妙なトリオが同期生ってのも面白い。シズオさん以外の二人(まあイザヤさんがメインだが)はいかにも策略を廻らしちゃうタイプな一方、とにかく力こそパワー一本槍なシズオさんは判りやすい。…だけに生半な描写ではキャラ立ちせえへんよってに、あんなムチャパワーキャラになったのだろうなあ。ちうか今までよう人死にが出ェへんかったものだ。そこら辺もイザヤさんの策略のうち、なのだろうか。


てことで、今回も事件らしい事件は起こらない設定話。ひょっとしてこのまま各々のキャラと舞台の説明だけで一作品終わっちゃう…ってことはないだろうけど、うーんいや、ワシはこのノリで描かれるなら別にそれでも構わんかな、とか思ったりする。ヘンな人たちがヘンなことしてるヘンな街の話、っちうのも悪くないかとね。まァそのうちヘンな「事件」が発生して事象が動き出すのだろうけれど。…あと喧嘩シーンでの昭和テイスツ不良さんたちが実に良かった。ああいうキャラ設定描くの、楽しいやろなあ。


ソ・ラ・ノ・ヲ・ト・7話。本格的に戦闘している風景が描かれるのは初めてじゃないかな、というフィリシアさんの過去回想譚。灯篭流しをシメに持ってきて、小隊一同各々の思いをゆるやかに流すシーンは、ちと型にはまっている感じではあるが悪くない。…ただんー、日本文化がパッチワークのように残っている未来世界っちうとARIAとかを思い出すのだけれど、やはり「ちと日本が過剰やなあ」と似たような印象を持ってしまっている。風鈴もスイカも精霊馬もエエんだけど、ね。


てことで、今回はフィリシアさんのメイン回。こういう時、メガネの透過率で心象を表現できるってのは便利よね。辛い経験を乗り越えてみんなをかい抱くお母さんキャラってのはいろいろとシンドかろうけれど、ま、そこはリオお父んがサポートしたげて下さい。「この世界に意味はなく、だからテメエで自由に意味を付与できる」っちう思想はちょっと銃夢のノヴァ教授を思い出した。


回想における戦闘シーン、この時点での主力四脚戦車の古臭さはよろしいな。手動で砲塔旋回とかレトロメーターとか。ちょっとラクラク旋回過ぎるような気はしたが、まそれは演出。そして旧時代の戦闘シーンは…一応「幻影」ということだけど、あの兵器群は多分マジであったものなのだろう。明らかに技術力の違う、ほとんどエイリアンアタックス! みたいな戦闘機械が対照的だ。ひょっとして今、あの倉庫で眠ってるヤツがあのバケモノ兵器か。怖ェな。


…あと、あの激戦下でハッチ開けてラッパ吹く、ってのはやっぱ運用上問題があると思いました。無線ナシ世界なのかな。


バカとテストと召喚獣・7話。ユウジさんの受難女難大災難、である。なぜか知らんが級友みんなしてユウジさんとショウコさんの仲を取り持とうと画策するのだが…うん、そうねえ、企画会議やらキッカケの説明やらを完全にすっ飛ばして「気が付いたら友人たちのワナにはまっていた」という構成が妙に潔くてよろしい。よろしいの? さあ。とりあえずどうやって遊園地を抱き込んだのかとか一体誰の発案なのかとか、そういうのは瑣末なこと…なんだろうなあ。多分。


ヤンデレ道一直線のショウコさんにブン回されるユウジさんは災難であるが、当然ながらココゾという瞬間には「デレ」が来てほだされちゃうってのはお約束。「お前の好意(だか攻撃意欲だか)の対象は俺ではないが、お前の意図そのものを汚すヤツは許せねえ」…ってェのは、ユウジさんにとっての精一杯の落しどころなんでしょうな。…こうなるとあのチンピラカップルさんも、ひょっとして悪友どもの差し金キャラなんじゃねェの? という…のは穿ちすぎか。少なくともスジ書いてる人にとっては必要不可欠な汚れ役ではありましたな。実に記号的である。よし。


ジョジョだのMGSだののイマイチ小粒なパロディは相変わらず。それよりも今回はワシ、流れと勢いでそうなっちゃっただけなんだけど「遊園地サーヴィスのラブラブアイアンクロー写真」という妙なネタがツボでした。あれ、上手くやれば遊園地名物になるんと違うか。無理ですか。