またトンカツ

●冷蔵庫に余っているパン粉はちょっと前エビフライやった時の残りである。あン時はいちびって衣にピーナツやら混ぜ込んで、まあその、それはそれで旨かったんだけどね。正統なエビフライでも良かったかな、とちょっと後悔したりね。


とまあ、スーパーでブタロース見ててそのパン粉を思い出したのだ。ちょっと厚めのロース肉でパックにも「豚テキ用」とか書いてあるんだけど、よし、そんじゃトンカツにしよう。余ったパン粉を消費せねばならん。しょうがないなーいやーこれはしょうがない。トンカツだトンカツ。…最近トンカツ喰いたいモードに入ることが多いな。


以前惣菜屋でバイトしてた時、上司の人が言うには「トンカツの肉はあまり厚くないほうが良い」と。衣と肉厚のバランスが悪いと、カツの食感が失われると。それもよう判るんですがね、でもね、ガッツリと厚い肉でドンと揚げたカツもエエやないですか。邪道上等、庶民のカツに上品さを求めてもしゃァねえのさ! そんかしちゃんと肉の繊維切りはしといた方がいいな。包丁でぷすぷす、柄でとんとん。薄くなった厚みは手で盛り上げ直しておく。


しかし改めて見ると結構でかい肉だな。ここまでカサが張ると衣がはがれやすくなりそうな気もする。なので今回はバッター粉もどきで衣を補強しようかなと思う。普段はパン粉を定着させるに卵だけを使ってたんだけど、今回はその溶き卵に小麦粉を入れてツナギに…ツナギ…しまった小麦粉切らしてる! お肉にパタパタお化粧もできない! うー買ってこようかな…いや待てそうだ、この片栗粉で代用できんか? どうか? まいいややったれ。テメエで喰うんだし文句言わんよ。


肉がデカイこともあり、「表面が色付いても中心部が生揚がり」てな事態を避けるため、割と低温からじわっと揚げ始める。衣に薄く色が付くまで絶対触らぬように! ハゲるからな! 頃合を見て引っくり返して…よし、シッカリ定着してんな。最後にガッと油温を揚げて色を付け、カラリとさせよう。こうすると思いのほかベタっとしません。


付け合せの千切りキャベツとミックスベジタブル(←嫌いな人多いでしょ? ワシ何故か好きなんすよこの三色冷凍野菜)の横にトンカツオン。肉にはちと強めに塩胡椒してんので、ソースは使わずおろしポン酢で充分だろ。さて頂きます。


…あれ? おお? サクサクでジューシー! 今まで作った揚げ物の中で一番上手くいった! 旨い! しかしながらどの要素が成功の鍵だったのか。バッター粉が本命だが、肉の繊維をかなり念入りに切ったってのもアヤシイ。あるいは揚げ方が良かったか? 小麦粉じゃなくて片栗粉使ったからか? お肉様の品質? トンカツの妖精の仕業? …まいいや。未来など要らぬわ今この刹那が重要だ。放っとこ。ああ旨い旨い。


こんなだからワシの料理は進歩せんのよなあ。毎度々々が新たなチャレンジよ。エエように言うな。