●鉄のラインバレル6話。新規入社のお二人を祝ってかくし芸大会である。うむ、テンポ良くてちょと悪ふざけ気味な軽コメディでありかなり上手い。構成員の紹介シーンにて、登場メカのスペックが同時に出てくるカタログ的演出がワシ好みだなあ…と思ってたらテロップと絵がリアル背景だったり、完全にペースに巻き込まれて「くそう! これ以上かっこ悪いとこ見せられない!」とかくし芸頑張る気になってたりね。また天丼連発されるストレッチャーギャグはそのBGMのマジメさと相俟ってなかなかの切れ味、こうかはばつぐんだと思った。
ちうか皆さん、生死に関わるツッコミを多用しすぎだと思います。なん…でや…ねん。あと、あの未亡人くさい管理人さんは声が島本須美だったりしませんか? あと能登さんの人体切断マジックシーンがそのまんまのび太エピソードでちと笑ったりした。テレビでは簡単そうだったよ?
その上で双子の姉を気遣う優しさとか友の死を悼む後悔とかを乗っけてくるのでこれも効果的。バカ騒ぎの理由として息抜きの大事さを説き、失敗したら非難轟々で成功して当たり前、とマジメにインフラ業界の悲哀を語る司令も良し。ん、肩の力抜けた(ように見えるようにつくられている)良い回だったと思いました。
●かんなぎ7話。天岩戸状態のナギさんを巡る話。何故引きこもったのかを伏せたまま話を進めつつ、一人また一人とレギュラーメンバーが集まってくる…という、この監督らしいヘンに捻った構造の話。「いきなり襖の取っ手のドアップ、そしてその襖は結局開かない」てな開始ぶりがまずスカしてますわな。
最終的には「大事な番組を上書き録画しちゃったヨ」という何でもないことが原因であるのだが、その「どうでもよさ」がちゃんと理由を持って描かれているのはなかなか上手い。そう、相手のためを思ってのことが重要なのよ、何か特別なことではありゃせんのよ、てな雰囲気を引っくり返す軽いオチもまたよろし。小憎たらしい小手先業が光るわな。…ってェか、スタッフロールには「EDアニメーション」のスタッフとか出てたが、EDアニ…メ?
サプライズなそのEDも含めて今回もやたらに凝った作画で楽しい。ゴキブリ目線のガンガン動き回る背動、というムダなリソースの使い方にちょっと感心しつつ巻戻したりした。小手先野郎め、面白いじゃないか。
●機動戦士ガンダム00・7話。先週に引き続いての入り乱れた闘争、サジさんの諦念、ミスター・ブシドーの困った存在感、強化人間たちの逢瀬…とまあ、今週もまたいろいろあったものの、最終的にはセルゲイ・スミルノフ萌え回。とにかくこの運昇声おっさんの、振り返らない男ぶり、必要なことしか言わぬ男ぶり、そして全ての感情は身の裡に秘める男ぶりに萌える回、ですな。今回ラストシーンに限っては、ワシにとってアレルヤさんさえちょっとうざったかったりしてな。
とにかくどっか突出した所の多い本作登場キャラ群において、このおっさんの踏みとどまり方は逆説的によく目立つ。…円熟性という要素をゴリゴリと突出させてるとも言えるのですがね。動乱の物語というものが状況の逆転にキモを据えているとするならば、セルゲイおじさんのこの性格は元から報われることなき要素である/だったのかもしれない。…寅さんなんだよねえ、この人もねえ。
てことでまあ、上で列記した要素はそれぞれおもろかったのでしょうが、何かワタシの中では薄れてしまいました。あーそうだ、あのラストに出てきたメガネヒゲの人、あのキャラ造形なんかエエな。ダグラム辺りに出てきそうな感じで。うん、まあ、そんなとこ。