カイジ/メイドガイ/図書館戦争

逆境無頼カイジ24話。なんとか会長をティッシュ箱勝負に巻き込もうと必死のカイジさん。あーアレだ、事前に解説される技や料理は負けるの法則だ…などとシケた台詞を吐くまでもなく、明らかにイカン流れで物語は進んでゆくのである。カイジがどんなに策を凝らし罠を張ろうが、後出しで一億円を提示してあっという間に「場」を掌握してしまう会長の底知れなさ。一億円でっせ、一円置くんと違いまっせ。


福本作品の「即物性」の象徴たる指切断器、嬉しくなるほどのゲテモノ風味でよろしいなあ。こんなもんを次から次から出してくる会長さんですが、こうなるとカイジの一言で取りやめになった会長側ギャンブルが何だったのか気になりますよね。「アレを…」のアレ。きっと素晴らしくゲテモノな賭博に違いない。あと、地味な台詞ながら「勝てば、な」の演技は底冷えのする恐ろしさであって津嘉山さんも楽しそうであった。


仮面のメイドガイ4話。パツキンツインテ高飛車常にぱんつ見せライバルキャラとそのお供のくのいちメイドさん登場の巻。んで何するかというと、ぱんつ見たり脱がせたり奪ったりする。その片手間に剣道らしきこともついでにする。もうステキに形式だけあって内容が無い。ここまでガッチリ構築されていると誉められて然るべきではないかと思う。んー、割と素晴らしい。割と。


題目的には本編らしき剣道勝負より、ウラのコガラシvsくのいちさんの人外バトルが楽しかったので、割とすぐに終わってしまったのが残念でした。あとコガラシさんが家事全般を完璧にこなしてるのを傍証づける魚屋さんとの仲の良さ。ちゃんとお礼に買い物してあげてんのがデキるメイドガイさんだ。頼りになるなあ。


図書館戦争2話。タスクフォース訓練開始、イヤミ同期や厳しい訓練に…いや、正確には不甲斐ない自分に泣けて仕方がない笠原さんである。んー、やっぱ新人社員ものとしてはよく出来てると思うけど、絶望的に「戦争」部分との喰い合わせが悪いよねえ、今んとこ。(一応死んでなかったけど)銃撃で斃された敵兵士を前にラブコメしちゃう神経はどんなもんなんだろうなあ、とか思ってしまった。吊り橋効果で済ませてエエものかどうか? さあ?


1話からずーっとモヤモヤした気分だったのだけど、多分これはデザインと構造と双方によるものだろうな。ワタシの立場は明らかに本読み側なのだけど、いやそれだからこそ、図書館側をいかにもニュートラルで普通で血肉の通った組織に、メディア規制側を戯画化されて無個性な悪の組織に描く…という、その絵面をどうも不健全に感じてしまう。何というか、自己正当化があまりにも強烈でちょっと気持ち悪い。もっと全体的にデフォルメされた…抽象化された演出なら普通に見れたかもしれないけれど、どうもね。


今後色々とそういう価値観が引っくり返されていく方向に行くのか、あるいは「別にそういうとこ見る作品じゃないので」なのかは判らんけどね。基本部分で破綻が見える仮想世界モノってなんかヤだなあ。ま、これは度量の無いSFバカの戯言ってことで。とりあえず上記普通の職場モノとしては楽しいです。あと統制の取れた作画も。ミリタリ部分については諦めた。