狼と香辛料

狼と香辛料10話。すれ違いの二人は割とすぐに仲直るのである。「あの場面で何故自分を怒らなかったのか、お前はなんというお人よしか」となじる女…ってェのはある種の理想化キャラではありますな。手管に長けていない者こそが強い、という「イノセント至上主義」がここにも、である。ま、道具立てが商売なのでそうそう無垢キャラだけで押すわけにもいかんのではありますが。


そこで起死回生の一発案としての密輸業、それも教会を巻き込んだきな臭いもの、さらに例の羊飼い娘がその主道具、というワケだ。何とか手管を披露しようと喋りたおすロレンスさんがいじらしい。相手を騙す…まあその、騙すといえば聞こえが悪いが、商談の駆け引きのコツは「真実を言うこと」でありますからね。隠すべきはその意図。彼は何故そんな話を持ってきたのか、それで得をするのが誰か…という。ここまではアリネタの範疇。


しかし商談の対象である羊飼い娘は「羊の皮を被っているだけかも」とホロさんは言う。さて、商売人としてのハナが利きにくい秘密がありそうでございますが、ロレンスの言うが如く「皆が笑える」ような結末を得ることができるか否か。…どうもこの台詞、後藤隊長を思い出すんだよな。みんなで幸せになろうよォ。


というダマシやハッタリだらけの回において、一番判りやすいのがホロさんのしっぽだってのがよろしな。狼も嬉しいとしっぽ振るんかしらん。