カイジ/墓場鬼太郎/みなみけ

逆境無頼カイジ15話。ゴールと書いて未来と読んで、そしてその入り口から弾き飛ばされる佐原である。実にあっけなく死んでしまうそのシーン、この作品の命の軽さ(とそして逆説的なその重さ)が身に染みる演出ではありますな。その後のガラスの通路というファンタジーに片足突っ込んだギミックは、やっぱどうもムリがアリアリなんだけど、「いっぺん絶望しないと見えない道」という意味の与え方が面白くはある。どっちにしてもムリムリではあるんですがね。


てことでEカード編へと突入、ラスボスの津嘉山正種が再登場でございます。多分今マガジンでやってるアレがアニメ化しても津嘉山さんが声をやるだろうな。とりあえず今回は顔見世ってことで。あと「折れた足をいじると、ほら彼は痛いがワシは痛くない」の台詞は福本的箴言でもあるが、文章だけ見るといがらしみきお的シュールギャグでもあるよな。


墓場鬼太郎7話。人狼とガマ令嬢登場そしてすぐ退場、あとついでにニセ鬼太郎と水神も退場、幽霊列車ですういすいというお話。ええとその、何だ、いい話だなーという。そんな感じ。とにかくキャラや伏線の必然性が極限まで希薄なんだよねえ。わざわざ設えた幽霊列車の意味はちっとも判らんし、ニセ鬼太郎はすげえヤッツケ状況で死ぬし、人狼さんも結局その特性を生かすことなく死ぬし。OPのやたら凝った人狼主観の恐怖シーンは何だったのだろう。


そういう一般的な作為とか意図の無さのおかげで、何と言いますかねえ、物語が自ら編まれていってるような泰然としたモノを感じますですよ。いや、この味わいをアニメで出そうと決めたってのは割と英断だったのではあるまいか。そしてそういう風に作っちゃう技量ってのも大概なのじゃあるまいか。んー、よく判らんが水木万歳。ついでに劇中の水木さんに合掌。


人狼宝亀克寿。何でも「大学出て教養があるのだよ!」で済ませちゃうのが良いよな。んでチョイ役ながら強烈な印象を残すガマ令嬢は…っと、おお川浪葉子ではないか! 久しぶりィ! と思って検索してみたら朝の五部鬼太郎にも最近登場してはったとかや。吸血鬼モンロー役。両方見てはった人はニヤリとする所なんでしょうなあ。ワシ残念。しかし両鬼太郎アニメにおけるしぇくしー表現の差が素晴らしいなあ。素晴らしい。色々と。


みなみけ〜おかわり〜・8話。プールプールプールの話。ん、これはステキにどうでもよい話であって面白かった。体軸周り正確に回転しつつプールに突っ込んでゆくお嬢さんたちの絵とか、ホサカさんのあまりに抜き演出なプール初登場シーンとか、なんかトボけ加減が良かったですよ? 1クール目みたいだなとか言うと失礼に当たりますか?


泳げないのでプールと聞いて落ち着かない三女さんが実にかわいったらしいじゃないですか。泳ぎ方検索したり空気合で臨んだりお姫様抱っこで救われたり15m地点で心に瑕を負ったり、なるほどこの子の魅力はこーゆーとこにあんだなあ、という具体例みたいなエピソード群ではありました。


ほぼ全ての登場人物がプールに集合してる割には混乱は少なく、上手いこと話と舞台をかみ合わせたりずらしたりしてた印象。楽しかったですよ。…これで周囲の人々が黒ベタでなければなあ…。てか駄菓子屋のオバハンは黒くないのか。レギュラー化なのか。