ラグーン/パンプキン/すもも

ブラックラグーン19話。日本編に突入、バラライカの姐御がトーキョーのヤクザ相手に大人気ない手管を見せ付ける話。「通俗的ステロタイプ」がこの作品の美点の一つなんだけど、今回も的を外さない素晴らしき道具立てで実によろしい。昔ァならした人斬りヤクザ、今じゃテキヤとお嬢のお守。義理に縛られ情を捨て、望まぬ修羅場へ逆落とし…ってワケだ。


ロックが日本にいる絵が「違和感ある!」と見えてしまうのに感心する。あの見慣れた日常風景が、この作品で描かれるとここまでインパクトがあるものか…って感じでしてね。日本の風景は第一シーズンで既に見ているはずなのに。それだけロックたちに寄り添った物語作りが成功していたということだろう。で、ロックだけじゃなく視聴者の感情も、徐々にその風景に馴染んでゆく、という感覚も良かった。


お嬢とロック/ヤクザとレヴィが一つ縁台に座ってる絵がいいね。どこまで意図したのか知らんがこの四人、見事すぎる対応関係だんな。あーあと、常に言語の差をちゃんと描いてる作劇法も好感大。それでも意思が通じちゃうレヴィと子供、あー、やっぱ精神的に同レベルなんだよなあ…ヤクザとはまた違うレベルで。


パンプキン・シザーズ7話。お定まりの腐敗領主、援助物資を独り占め…かと思いきや、なにやらきな臭い新型兵器のお話。自動給弾戦車にガーランドもどきの自動小銃、と来たもんだ。お次は何でしょね? 新兵器・電探でも出てくるかな?


庶民の労苦と貴族の栄華を対比的に見せる、という辺りが定番構成なんだろうけど、今回はちょっと色々な要素が盛り込んであってその辺は抑え目。貴族のバカさ加減を二パターン見せる、という変則構成でしたね。三木眞一郎声の婚約者様が真の貴族…というより、なんか黒幕っぽいなあと思うのは声のせいかな?


調査のために地方貴族の領地に不法侵入→銃撃戦、ってのはアレか、戦時復興組織としてフツーのことなのか? なんかもみ消すでもなくそのまま流してたけど。あと、「伍長の鬼神的な強さ」の表現がやっぱ、どうもギリギリウソっぽい方に行ってるような気がするんだよな。立ってるだけで弾が当たらない、って強さはあんましプロっぽくないなあ。


すもももももも6話。そしてまたヘンな人出た。なんか知らんが、孝士さんは謎の理由で狙われつづける存在のようだ。今回はその謎でもってヒキ、次回に続く! であったのだけれど、…うーん、あんましマジメな設定になるとちと困るなあ。ワシ。


ま、今回はいつもどおりのバカ話。絶体絶命の窮地において、頭を使って編み出したのが「相手をネコ扱いする」というヒザかっくんモノの解決法、という方向性や良し。それで丸く収まってしまう相手も相手ですけどね。


と言いつつ、今回のゲストキャラである虎男が実に傍若無人、どっちかというとケタクソ悪い人間性が垣間見えるのはちと後味悪かった。ただの弱いものいじめ行動に走ってるように見えたし。まあ、終わり方が定番の夕日グランドだったのでまだ良かったけど。…この虎男さんが草尾毅。結構若手メインのキャスティング中にあって、違和感無いのは大したもんですな。