ドリフターズ/ジョジョ/オルフェンズ

ドリフターズ・2話。豊久は領主っぽいおっさんに苛まれるエルフを見、葛藤も無くそのまま臨戦状態となる。ドリフ三人の活躍(?)により、エルフたちはとりあえず命を永らえることになる…のだが、暗雲渦巻くこの状況は予断を許さない…みたいなそんな話。今回は主人公ドリフ組が衆生を救ったという体ではあるが、彼らを自分たちに属させるためにまず小麦畑を焼き討ちして「火はええのォ…」と微笑んでる信長さんとか、実にダークな主人公でありよろしいことだ。お互いに「お前怖いわー」とニヤニヤしつつ言い合ってるのが最高にキモい。かっこいい。キモい。

清明さんも指摘してたが、村を救うでも取り返すでもなく「取る」と言い切ってる彼らが真っ当なヒーローであるはずもない。そしてどうやら彼らの敵、エンズたちはそれに輪をかけてどす黒い様相であり、俯瞰的には胸焼けしそうなほどのダークファンタジィではある。ところどころの気の抜けたコメディがそれを和らげるているのか、対比として余計暗く見せているのか。いずれにせよ、彼らの国取りはここがトッカカリ、こっから先が楽しみではあります。

「一方その頃」みたいな感じで取っ組み合い中なのがハンニバルスキピオですね。豪華なステゴロバトルやなあ。それぞれ青山穣家中宏という、洋画吹き替えでも活躍してるシヴいとこ連れてきててよろしい。ハンニバルに穣のおっさんってのは割と意外だったが、エキセントリックなボケ老人だけどその本質はとんでもないお人、という役にはなかなか適任ではないかという気もします。ええ。

ジョジョの奇妙な冒険・29話。ハイウェイ・スターと噴上さんの話後編。「60kmを下回るとアウト」という映画「スピード」みたいな条件下で敵本体を探すという、制約そのものが面白そうだけれどそれを面白くするには結構な力量が要るという、そんな感じの話ですな。途中ちょいとご都合風味の濃厚なとこはあったりもしたが、スタンドならではの戦い方もあり不気味な敵の攻撃もありでなかなか楽しい。見せ場はやっぱバイクをぶっ壊して直後に直すことで一般市民をスリ抜ける、あのシーンだろなあ。原作のマンガ時ですでにすっごいインパクトでしたからねえ。

今回ヴィランの噴上さん。実にジョジョらしいゲス言動と思考パターンをしており、これで後々主人公側に(一応は)付くようになるってのがなかなか想像しづらいお人である。まあそういうの多いんですけどね、この作品。土壇場の命乞いで「重症患者の俺を殴るのは気がとがめるでしょ?」とこれまたヤらしいこと言う彼に対し、クレージーダイヤモンドで修復してからブチのめす仗助がいいキャラしている。うん、まあ、確かにすっとしましたわよね。

最初にケータイ分捕られたおっさんの上司が大川透。ワシ気付いたのは多分今回が初めてだけど、ナレーション以外のモブも結構やってたりするんだろうか。あとこのケータイが壊れてるからってすぐ諦めちゃう仗助はやっぱ気になるよなあ。直せばいいのにね。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ・28話。冒頭、火星の地に育つ作物を見るクーデリアお嬢様の、長い髪の毛が土につかないように持ってあげてるクッキーとクラッカのお二人がかわいい。そんなアバンを経て語られる本編は、ギャラルホルンの中でもマクギリス一派からの依頼を受けようとする鉄華団の話。オルガの言うとおり胡散臭くてキナ臭いシゴトなのだが、一直線に進まなきゃならないと自らを恃むオルガはそれを受けるワケだ。案の定、弱小勢力かと思われた海賊の艦艇は10隻を数える屈強な集団であり、さあどう戦う、という辺り。

かくの通り艦隊同士がにらみ合いつつの全面MS戦でして、それをじっくりねばこく描き揚げる30分はなかなかに濃い。レーザもビームも無い実体弾と肉弾戦、おまけに弾薬推進剤切れのユニットをカバーしつつ後送して補給するという実に泥っくさい戦闘シーケンスで惚れ惚れする。アニメの整った画面設計を通してさえ「ああ、こりゃ長引けば疲弊するわなあ」ってのが実感として迫ってくるような構成ですなあ。アキヒロのグシオンがムダに複雑で整備に手間かかるとか、そういう細かいディテイルが楽しい。

そんな感じでわちゃわちゃやってるとこへインタラプトしてくんのがギャラルホルンの別勢力、アリアンロッドのクジャンさんとジュリエッタさん。ジュリさんは何となくミカとええ勝負してくれるんじゃないかというオーラもありますが、クジャンさんは見るからに意気先行のぽんこつ気味貴族っぽくて微笑ましい…微笑ましい? まいいや。こいつらがどこまで戦場を引っ掻き回すのか、次回の楽しみに。