舟を編む

舟を編む・2話。マジメさんの編入を祝っての歓迎会であるが、ご本人のマジメさんはどうも落ち着かなかったりする。この歓迎会シーン、部員はみな至って普通のなんてことない会なのに、マジメさんにどうも居心地悪そうだってのが伝わってくるのが面白い。荒木主任はエネルギッシュ過ぎ、西岡さんは浮わっついてチャラい、佐々木さんはなんか恐そう…というね。彼らはすでに人間関係が出来上がっているというそんな場に、自分が何とか入り込んでいかなければならない。いかにも営業に向いてなさそうなマジメさんなのに営業よりも不安だって理由が「一人で気楽な状況じゃなくなったから」ってのがうん…なんか判るなあというかね。ま、「趣味はエスカレータに乗る人の観察」というような人だからなあ。

そして辞書編纂のシゴトについて。数万数十万の語一つ々々を選定し語義を付けてゆくという気の遠くなるような仕事に、圧倒されつつも惹かれてゆくマジメさん。人海戦術でも大変なのに、この人数だもんなあ。…「糾わる」「アサンガ」「亜酸化窒素」の順で辞書的にはレアになってゆくそうだが、こん中で知ってるといえる単語っちゃあ亜酸化窒素ぐらいだ。辞書に載せる単語についての傾向が垣間見えて面白い。「糾わる」って「糾える縄の如し」の糾でしょうか。

夜半、マジメさんは目を覚ます。夜の二時、ネコに引かれて真綾と会う。この方がヒロインでしょうね。ネコの声で目が覚めて、古い柱時計の音で夜更けの時がわかるという演出が丁寧だ。てことで、うん。楽しんでみてますよ。