だがしかし/昭和元禄落語心中/オルフェンズ

●だがしかし・7話。今回はフル尺使って夏祭り話。前半はもんじゃとカタヌキ。双方ともワシのガキ時代には経験が無く、これは地方性によるものかもしれない。もんじゃが駄菓子の系列にあるってのは知識としてある程度で、未だに喰ったことないもんなあ。カタヌキについても実物見たことない。だからこれらはワシにとって「アニメやマンガの中の風景」であり、一種の象徴みたいな位置とも言えよう。まあどうでもいいやね。うん。

後半はサヤ師登場によりちょっとしたデート話。夏祭りでこういう雰囲気ってのはまあシリーズにいっぺんは入れとかないとね、という気概を感じる。このシチュエーションを演出する上で、お父んが空気読んでんのがちょっと意外。ちゃんとオトナしてるってのは見せといていい事象かもしれない。…チョイ役の金魚すくい屋に西村知道、こういうワキでも自然な存在感のあるおっさん声ってのはよろしいことです。あと前半登場のライバルっぽいけどそうでもないお姉さん、出てきたら引っ込んじゃったのがもったいない。再登場でもありゃいいなと思うが、なんか祭りじゃないと出てこない雰囲気だなあ。残念。

昭和元禄落語心中・8話。菊さんは落語家生活に邁進しており、今んとこ人生のほぼ全てが落語である。それはシンさんも同じことで、ただ彼と我とではその立ち位置がちょいと違う。これからの落語、これまでの落語。そのどちらがおろそかでも立ち行かない、とシンさんは思っているようだ。道は違うがお互いがんばってこじゃねェか、だからその為にもお金貸して。…天才タイプというか破滅型というか。

そんな彼らの状況にはじき出された格好になってんのがみよ吉さんと言える。序盤のいかにも手練手管の人、という感じは薄れて今や情と念の人。内にこもった彼女の熱量は一体何をしでかすやら。シンさん相手にして「アンタみたいに優しい人はニガテ。ツレナイ人が好きなの」は台詞だねえ。…このあとシンさんが覚えずみよ吉っつぁんを抱き寄せて、それを菊さんに見られた辺りのBGMが大時代な泣きのストリングスでちょっと笑ってしまった。いや、シーンによく合ってたと思いますけどね。

原作のマンガからそうなのかもしれんが、台詞じゃなくて状況に語らせるという絵が効果的なのはこの作品の強みだな。今回で言うなら八雲師匠と菊さんが電車で話してるシーンのトンネルの扱いとか、ラストのちょいロー気味なカメラ位置から歩み去る助六を見せるシーンとか、ですね。時々「ちょっとオーバー過ぎないかしら」とも思うけどもね。それも落語っぽいっちゃ落語っぽいか。あと巡業先の上方の師匠に茶風林。上方言葉としてはちょいと怪しいが落語家の雰囲気は上々、ってことはこれ多分高座のシーンはねェんだろな。ちょいと残念。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ・21話。孤島にてギャラルホルンからの脱出計画を実行するご一統、ではあるがその結果は…。終わってみてから省みればシッカリと布石フラグは置いてあったのに、マカナイ翁の値踏み態度だのオーリス兄とカルタさんによるおもしろギャラルたちだの、その他のフックとなる要素もあっちこっちにあったのですっかり意表を突かれてしまった。てことで、ビスケットさん道半ばにして退場す、の巻。

そうねえ、この重大なクライマックスを効果的にお出しするために周到に構築されたシコミではあったなと思う。上でも書いたが序盤中盤といかにも深刻さの低そうな「ガワ」をかぶせて見せ(実際の中身はそうでもないのを隠し)、視聴側に軽いものという印象を与えた上で出会い頭にフルスイングでオチを持ってくる。上手いなと思った。…実際劇中でも言われてたが、ここで参謀格でレベルヘッドのビスケットが抜けてしまうのはかなり痛い。能力的にも精神的にもねえ。

さて。ビスケットの退場という象徴的なシーンで次回に続くってとこになってるが、ヤラレ役ギャラルホルンの人たちはどうなんだろね。会場のオーリスみたいな人はまあどうにかなる目もあるだろうが、カルタさんはちと厳しそうだなあ。ミカが衝撃を受けてるこの状況につけこむしかないでしょうかね。どうかね。まァ次回待ちってことで。