ニンジャスレイヤー/乱歩奇譚/クラスルーム

ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン・13話。スワンソング。第一部でも人気の高いお涙ギブミー話であり、そんなこともあって今回はアニメニンスレらしいフラッシュアニメっぽい演出は割と控え気味になっている。実質20分少々の前後編でやらんならんってことで、当然ながらエピソードを摘んだりはしてんだけど、雰囲気と流れは視聴側の期待にかなり近いラインなんじゃなかろうかしら。…こういう「スレたおっさんと未熟な少女」テーマってのは何が元ネタだろうね。レオン…はもう新しいとこだろうか。

シルバーカラスに藤原啓治ってのは誂えたようなタイプキャスティングでありほぼ誰からも文句は出んとこでしょうな。実際こういうヤサグレ男はこの人のフランチャイズではあろう。名塚佳織がその相手のアダな姐さんってのは、ははあもう名塚さんもそういうお歳なんだなーとか少々感慨深く。…あと何だ、いまちょっと思い出せないけど、笑い爺とのシーンの車ってデロリアンだっけ? それもBTTFの…。いやかっちょいいからいいけど。

乱歩奇譚・2話。人間椅子後編。小林少年が自分にかけられた容疑を(ドキドキワクワクしながら)解決して明智探偵に「ギリオッケー」と言うてもらえる話。被害者且つ犯人の先生、真犯人の女生徒それぞれの動機と行動を解題するにふさわしい「異常さ」が、小林少年にガッツリ備わっている…っつーか、はるかに凌駕していることが示される。ま、「好きな人に椅子になりたい/椅子にしたい」程度では小林少年には勝てん、っちうこっちゃね。あくまで明るく裏表なく、その異常性を発揮しているってのが実にええなあと思いました。

さて。これで晴れて小林少年は明智探偵の助手となったってことである。今んとこ周囲の人間も一癖ありそうな人ばかり、羽柴さんも性急な弱ヤオイぶりがどう暴走するか判んねーなー、みたいなとこがあったりするのだが…興味深いのはカガミ警部っすかね。あくまで常識人、それもすぐ限界が来たりせず柔軟に対応のできるデキた人。この異常な面々の中で逆に目立つほどの普通ぶりだけど、だからこそ明智さんの言うようにその裏に何があるかはまだ判んない(無いかもしれない)。とまれ、上手い「常識人」の描き方とバランス感覚だなと思う。

冒頭のどっかでみた知識人に何故か山口勝平が居るなーと思ったら、MTGスタッフィ君みたいな明るい死体人形役で出てきた。その相方検視官に藤田咲…なんだこれ。また再来週! ってメタなこと言うて去ってゆきましたけど、ひょっと大重要人物だったらいろいろ困るな! まいいか!

Classroom☆Crisis・2話。割とヒネったシチュエーションの上に尋常ならざる事件が発生し、どっかおかしな人がおかしなこと言うというインパクトで構成された第1話。それなりに耳目は引いたもののイマイチ状況が判らんってとこであるが、この2話にてちゃんと説明いたしますよ、というシカケである。そしてその手段ってェのがこの…何でしょうね、よく企業教育とかで見せられるビデオみたいなアレ。窪田等のナレーションといい「どうしてここまでジャストフィットなのだ」と舌を巻くありがちすぎなBGMといい、パーフェクトだ。いやあ、狙ってここまで「あー…こういう映像あるよなー…」ってのが出せるのは確かな技量ですよ。いやマジで。

とまあそういうアレは置いといて。セラ先生率いる金食い虫部署を企業論理のもとリストラする為に遣わされた超エリート少年社員、その実態は創業者一族のサラブレッドなれどどうにも裏のある経歴を持つデキる男。ここまでもちゃげちゃうとその「切れ者たる手腕」を連発して描写しなきゃならんという、作劇上なかなか困難な道を採らなきゃならないワケですが、ここで「技術バカ」としてのセラ先生を対置することで補助としてる、のは妥当なやりかただなと思った。

あといいんちょのミズキさん、一見押しの弱いぽややんキャラに見えて、部長に対してあそこまでしゃあしゃあと渡り合えるってのはなかなかの心臓だ。あの辺のシーン、台詞と状況の転がし方が上手くて楽しかった。

さて。さしあたっての仮想敵はキリュウ部長さんだろうけど、彼を取り巻く状況から見てもそのうちこっち側に来るだろう事は予測できる。井上-吉野ラインのイケ好かない上層部がその裏の敵(?)でしょうか、あるいはその先にまだ何かあるか。そして今は姿の見えないもう一人の創業者、何となくウォズニアク的な科宮さんがどの段階で出てくるか。ふむ、割と楽しく見てますよ。