進撃の巨人/アザゼルさん/ヤマト

進撃の巨人・13話。エレンが何とか意識取り戻して岩で城壁を塞ぎ、ついでに調査兵団に入ることになる話。やってることは穴に栓をする土木工事なんだけど、勇壮で感動的な音楽やバタバタ死んでゆく兵士たちなどの描写のおかげで、「プロジェクトX」的な盛り上がりができちゃってるのはエライもんだと思う。エレンの常に戦い続けろという心の声とも相俟って、すげえ戦闘的な流れでしたな。「いかなる犠牲を払っても外に出たい」という意志でやることが外への穴塞ぎ、ってのが微妙に皮肉がかっててよろしい。犠牲多く益は少ない、苦くはあるが先へと続く勝利、っちうニュアンスであろうかね。

それにしても今回は何となく、作画的な台所事情が厳しいのかなっちうところが散見されたなあ。明らかに絵が足りてなくて隣接するシーンを引き伸ばして充当してるっぽかったり、踏み割った石畳の破片が紫色だったり、ヤケに「これまでのあらすじ」が長かったり。次回総集編なのもそういうことなのかしら、元からの予定どおりなのかしら。アニメとして動かすに難しいデザインだとか何とか噂されてるのを見かけたけど、ううむ…大丈夫だろうかね。ま、ワシが気にしてもしょうがないか。

●よんでますよ、アザゼルさん。Z・最終話。失意のどん底、闇の世界から闇の力によって禍々しく復活し、そのままなんてこともなく再没落するアザゼルさん、で全体のシメ。ホンマいかにもこの作品らしい、実にしょーもない終わり方でとても良かったと思います。テンポもいいしギャグも切れ味いいし、いい最終回ですよ。結局インキュバスは単なるとばっちり、全ての黒幕(まァあっちゃんのためを思ってのことではあるが)はキヨコであった、と。そうよなあ、張り手一つであっちゃんを吹っ飛ばせるキヨコがあんなに弱々しいワケもないわなあ…。

前シーズンもそうだったと思うけど、このアニメこんなナリで作画はいいんだよな。その上で突発的にさらにエエ絵がでてくることもあって、今回なんか沖浦西尾大久保とものすげえメンツがバカな絵ェ描いててスゲエ。スーパーアザゼルさんが吼えてる辺りがその辺でしょうか。さくちゃんの絵もカッコよかったしねえ。

●総評。いやもう、これぞ水島努の真骨頂。原作の力も素晴らしいっつーか、アニメと原作で息が合いすぎというか。ワシの前シーズンの感想見たら今回のにそのまんま流用できそうな状況でしたけど、さらにパワーアップ…あるいはふざけ度アップしてますもんな。変態ミキシンの回とか、ようあそこまで地上波でやれたもんやと未だに不思議である。そのミキシンといい痔の兵士役の大塚さんといい、大御所声優による悪ふざけキャスティングも相変わらず冴えておる。…アフレコで元ヨメとあんな演技させるとか、ホンマ水島監督は暴投狙いなおっさんやでえ。

てことで、今期アニメの中でもかなり満足度は高かった一品でした。こんなんが上位でどうすんだって気もするが、まあいいや。3期があるかどーか知らんが、あればほぼ確実に追っかけると思います。ぜひとも。

●むろみさんも最終回、すさまじい季節はずれながらクリスマス→大晦日→正月話でレギュラーキャラ勢ぞろい、というなかなか最終回っぽいお話。こちらも毎度ながら絵がいいんだけど、最終回パワーかもう一回りよう動く絵になってて眼福。このまんま総評しますけど、とりあえずアザゼルさんのついでのつもりで見始めた割には結構気に入ってしまって、こちらもそこそこ楽しみに見てました。絵柄とノリが妙に古臭い…っつーか金田ノリの残滓が味わえる辺りがおっさんにやさしくて、何でしょうねこの若者監督の趣味嗜好は。元ガイナと聞いて妙に納得したりして。あとはまあ、先週のメーター振り切ったえろアニメオマージュですかねえ。アレはアレで「よく地上波オッケー出たな」とか思いましたよ。とまれ、楽しませていただきました。以上。

宇宙戦艦ヤマト2199・13話。初っ端にドメルご一行の銀河方面配置を描写、歴戦のツワモノっぽい彼らととことん小物なゲールとの対比が鮮やか。そしてその後はほぼまるまる次元潜航艇との潜水艦バトル…眼下の敵ですな。とにかくこの手のジャンルのお約束テイストを濃厚に盛り込んだ、いわばシュミの一編と言うてもエエくらいのガマン比べドラマでなかなかよろしい。一応ヤマトという枠もあるしそうそう悪乗りもでけへんから、状況の許す範囲内でってことですがね。まあ。

敵潜水艦乗りの親玉、中田譲治がねっとりと演じるフラーケンさんがまず強烈な存在感。そしてその独立愚連隊な部下たるや、チンピラ口調の副長だのむっさいヒゲにスキっ歯のオヤジだの、叩き上げの男っぽさが実にたまらん。んでもってお互いやることといやァ、宇宙空間でピンガー打ったり潜望鏡深度まで上ったり次元水平面を突っ走ってくる魚雷を迎撃したり、もうやりたい放題。亜空間から通常空間に出現の一瞬後にドッと加速がついて走ってくる魚雷の絵、目の前キワキワを通過する魚雷の推進部にパルスレーザ当てて紙一重で直撃をかわす絵、この辺の絵作りがすげえフェチくて感心する。コンテに樋口真嗣が参加、多分その辺の仕業だろうなあ。

結局フラーケンを振り切って逃げたヤマトだが、これもっかい対決とかあるのかな。あるいはこいつらIIIのキャラだし、このシリーズではこれでしまいなのかしら。再戦して欲しいけどねえ。ヤマト艦内では艦長が大変なことになってたりするが、まあそれはそれとして。…にしても、あの関俊彦の保安要員さんは何なんだろうねえ。いかにも裏切りまっせェ、っちう悪役ヅラだけど…。