中二病/ガルパン/新世界より

中二病でも恋がしたい!・2話。ねこ拾ってきて飼いたいなと思ったら姉さんがねこアレルギーなので襲ってくる! の巻。問答無用で他人のウチに乗り込んでくるからヤバい人かと思ったら、一応お話は普通に通じるのでああよかったと思ったら、リッカちゃんやユウタさんはともかく割と無関係なくみん先輩にまで殴りかかるやっぱしめんどくさい人でしたよ、っちうね。…流石にどーかなーと思うが、この手のお話ではまだアリな性格である方だろうか。どうだろうか。さあ。

ねこを飼う飼わないの姉妹喧嘩に主人公たちが何故か巻き込まれてしまう、っちうその流れがあと少しだけスムースじゃなくて、なんかこう「いやその結末はいかようにでも回避できたんじゃないかなあ」というもやっとした印象が残ってしまった。まその、年長者らしいくいろんな意味での攻撃力を持ったお姉さんとか、人がよくて付き合いもよいくみん先輩のキャラを提示するという意味ではよいエピソードだとは思いました。

しかしこういう、かなりどうでもよい日常ドラマノリってのは実にエエと思うところであるので、できたらこのまんま進んでいただいてもあんまし問題ないです。都合上どうしてもラスト近辺はシリアス展開になってゆくのだろうが、それまではこういうノリでオッケーこの上ない。…シリアスってってもどっち方面になるんだろうな。重い人間関係が析出してくるのか、それともマジ中二的異形世界が現出するのか。まいいけど。

今回は後半のリッカちゃん妄想バトルを中心に、判りやすくド派手なアクション作画がもりだくさんで単純に眼福。地味にアバン、お姉さんがおたまぶん回してる時のカッチョいいオバケの付け方とかも良かった。あと何だ、ユウタさんもアレだ、銃器に詳しいという程度ならばその世代のオトコノコとしては充分に通常の範囲内だぞ。気にすんな気にすんな。うん。

●新番組・ガールズ&パンツァー。アバンはいきなりお嬢さんたちによる戦車戦。主人公・ミホさんの夢でしたという一応のオチはつくが、多分これは本編の内容・ノリを紹介するためのシーン、一種の予知夢みたいなものであろう。好事家さんたちからみればイロイロとツッコみ所のある戦車戦描写なんだろうけど、それを踏まえた上で「このアニメはこういうノリですよー」とまず言明しているワケだ。戦車ってのは先行類似作品のように空中を華麗に飛び回るってワケにもいかんのでいささか地味だが、バカカラフルな塗装してあったり高低差のある地形を走ったりカメラアングルに凝ったり、と何とか画一的にならないように画面を工夫しているのは感じられますね。

さて本編は女子の嗜みとして「戦車道」なる武芸を修めようとするお嬢さんたちのお話。えー基本的に、大いにトチ狂った設定のモノ(お嬢さんが部活のノリで戦車に乗るとか)をどのように見せるべきか、っちうメソッドはいくつかあるが、制作側…監督がチョイスした手法は「トチ狂った主体以外の日常ディテイルをガッチリと表現する」というタイプ。実際、本作における戦車で云々以外の要素は、今んとこかなり真っ当な学園モノのテンプレといってよく、まず視聴に際してハードルとはならない。一つのウソをつくために、それ以外をリアルで固めるというヤツだ。…水島監督のこっちゃし、一つのバカのために周囲を全てバカで埋め尽くすってな方向もやりかねんなとは思ったが、まあ今回はこっちのノリで。

とまあそんな着実な話運びを進めたラストに、実は今までの話は全て巨大空母の上の出来事でした、というでっかいウソが見事。上手いねえ…ってあの空母、横幅だけで1kmほどもありそうですけどもね。ほとんど創世神話の亀とか象とかやな。

てことで、強烈なフックがあったわけではないが、この手のアニメとして手堅い第1話だったと思う。監督が監督だし、またワシ戦車好きだし、もう少し続けて見てみよう。…あー、パンフロやりたくなってきたな!

新世界より・2話。…あれ、録画失敗してるなこれ。しょうがないのでアレコレして補完。前半は超能力玉転がし競技を主題にした話。判りやすいルールをベースにいろんな戦法やギミックを乗っけて、少年少女のスポーツバトルものっぽいエピソードを提示しているのだが…やはり少々薄暗い事実がチラチラと垣間見えるよーな作りですな。教科書の説話である「業魔」の話もそうだけど、ルール違反を平気でやるような異端者・皆の能力ペースについていけない弱者はこの学園…コミュニティから「姿を消し」て、かつそのことを誰も気にしない。これは極端な管理社会体制と精神的な操作による支配を暗示してたりすんだろか。怖いねえ。まだ判らんけど。

そうなると後半に出てくる「化け鼠」の存在もなかなか怪しい。SWのジャワみたいな格好したみすぼらしい奉仕種族であり、どうやら知能的には人間とそない変化ないような生物。…うーむ、もうこの時点で倫理的にどーかなーって感じだけど、その出自とか考えると更にアヤシイ。上記の消えた人間とかが化け鼠になってんじゃねーかとか、消えるべき人間を始末する存在なんじゃねーかとか、いくらでもギミックを仕込めそうだなあ。

にしても、色彩設計によるものだろうか、やたらと落ち着いた画面の雰囲気が印象的であるね。木造校舎の外部の明るい昼間風景と、対照的な室内の薄暗さ。のんびりした牧歌的お話なら心安らかに見られるけど、この話運びでこの舞台設計だとソコハカとなく不穏な空気が…ねー。