ラグランジェ/峰不二子/人類は衰退しました

輪廻のラグランジェ season2・9話。あっという間にクリスマス、ってまた季節はずれなことで。とまれ鴨川、まどかさんは進路希望未提出で怒られてるしキリウスたちはお里帰りパーティされてるし、とすっかり学園日常コメディのノリ満載な状況。こういう要素を前面に出してくるってことは、つまりもうじき非日常がババンと訪れるという前フリっちうこっちゃよね。案の定、ランちゃんとムギナミさんが別れの会話をしているシーンを皮切りに、モイドさんの画策により騒乱の針はぐっと傾き始め、そして急転直下…っちうね。

役割としては変転前のスプリングボードなんだけど、どこかヘッポコでお気楽な日常ドラマは相変わらずそれ単体でワシ好みである。今回は主に三バカ野郎の方にネタが多かったなっちう印象。しばらく放っぽらかしてたらフジツボとか水垢とかこびりついちゃった戦闘ロボ、という生活感あふれるしょーもないネタがかなり好き。あと、アレイくんはいちいちメイド服に着替えるのな。もうそれが習い性になってんのな。いいことだと思います。

LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜・8話。命日を取り戻せ、っちうお話。ゲストキャラとして出てくる占い師の男をめぐるストーリィなのだが、それが語る内容は不二子さんの謎についてである。今までちらちらと出てきていたよう判らぬ回想シーンに関わる、その一端がここにちょろりと舌を出す、ってとこでしょうか。…不二子さんってそんな女性なの? まいいや。

相手の死ぬ日をぴたりと当てる占い師とか、何がどう「石版」なのかちいとも判らないあの樹形オブジェとか、歴代のルパンの中でも…そうねえ、第2シーズン辺りの鈴木清順っぽい「画面のニュアンス優先」な雰囲気が濃いお話だなあ。死期を占う相手に復讐するのに「命日を取り戻せ」という表現を使うとかね。

えー、さて。なんかちょっと不二子ちゃんの目の色がヘンテコになりかけてるような気がするんですが、ひょっとしてこれから「本筋」である不二子ちゃんのルーツ話がメインになるんスかね。うーん、岡田脚本でのメイン語りに苦手なものを感じるワシとしては、少々不安ではあるが。

人類は衰退しました・10話。新しい調停官として楠の里に配属されてきた主人公さん、ってなところからスタート。てことは時系列的には今んとこ一番昔のお話ってこっちゃね。やる気と希望…にはちょっと乏しいが、楽をしたいなーという強い意志にはあふれている「私」と、この世界の現支配種族たる妖精さんとのご対面。つまりこれ、ファーストコンタクトモノの一変奏曲って感じなのね。このエピソードでほぼ、主人公と妖精さんとそれを取り巻く環境についての基本的な説明はオッケーなのか。…これが放送第1話でも別段かまわんような気はするが、話数シャッフルの意図は何だったのだろうな。まいいや。

それにしても、改めて不思議な雰囲気のお話ではある。おじいさんの言うとおり、妖精さんたちと付き合うには相応の「ユルさ」が必要だってのがよう理解できますな。臆病ながらもノリがよく、一夜にして凄まじい技術力を発揮する謎存在・妖精さん。アレヨという間によく判んない方向に突進してゆくお話の流れが実に面白い。これまでの地球上の進化による生物とはちょいとノリが異なる彼らの、出自や本質はいろいろと気になるが…ま、それは言わぬがフラワーってな面もあるでしょうかねえ。

あとは主人公さんよね。のほほんさと身も蓋もなさを兼ね備えた独特なキャラは、すでにこの時点で確立されてる。謎の妖精さんと仲良くなった(≒拉致してきた)と思いきやいきなり「(妖精さんを)食べます」「うそです」「かわいいなあ」…って、姉ちゃんなかなかキワドイ。神として祭り上げられて困ったからって、手近な妖精さんに「はいタッチ」つって神の座を禅譲することで万事解決! とか、心臓に毛ェ生えてるよな。うーん、最近のアニメの中でもかなり好きな方のキャラかもしれない。