夢の話は誰も聞かない

●夢を見る。正月、実家に帰って祝いをしている。すでに日も暮れた中、今までこのド田舎では見たこともないくらいの人出が家の周囲に溢れている。実家隣の分家を借り切り、庭にて立食パーティみたいなことをやっているが、集まっている面々はほとんどが知らない顔である。早速喰い物や飲み物を探すが何もない。どうしたんだとそこらの人に訊いてみると、アゴで厨房の方を指し示される。見れば卓上に肥満した老人が横たえられ、その周りを人が囲んでわいわいとやっている。どうやらパーティ中に持病か何かでポックリいってしまい、正月の祝いどころではなくなってしまったらしい。うわあそれはまた…参ったな。何もこの日この場所で亡くならんでも…と思う。自分の立っている場所のテーブルに、ちょこちょこといろんな料理が並び始める。いつまでも食べ物無しでもいかんだろうと、厨房の新米料理人が腕前の練習がてら作ったものを出してくれているようだ。アレコレつまんでいると山向こうの遠くの空で花火が上がっているのが見え始める。そうか、ここは沈んだ雰囲気になっているが他の場所は普通に正月の夜で浮かれているのだな。当然だ。彼我の温度差を何となく感じつつ、妙な正月になったなあと思っていると目が覚めた。