デュラララ/ソラノヲト/バカテス

デュラララ!!・9話。矢切さん姉弟と首に傷のあるお嬢さん、三人の粘着的ストーカーたちが互いにネバクリネバクリしつつ過ごしてきた話。どっか情感の欠落したような弟、強烈なブラコンにして冷徹なドS属性の姉、とまあ、この作品の一癖二癖ある登場人物たちと比してもなかなかめんどくさいお二人である。それにくっついてくる首傷さんは…どうやらセルティさんの首をその両肩の間に乗っけてるらしい、と。うはあ、これまためんどくせえ。


とにかく皆さん「あの人には自分が居なきゃ」というその一点で凝り固まりつつ、しかしその視線方向はちぐはぐである。一応首傷娘と弟さんは想い合っているように見えんこともないが、弟さんの固着対象はその女性ではなくどうも「首」そのものっぽいしなあ。あまりに強い感情は、一旦崩れると反跳がでかいぞォ。お姉さんは「何もかもが歪んでいる」関係性であるという自覚はあるようだが、だからってその行動パターンを止めるつもりはさらさら無さそうだし。怖や怖や。


セルティさんは他人のものになっちゃったテメエの首を見て衝撃を受ける。既に一個体として活動しているらしき「首」を引っこ抜くことなんてできるのか? 切り離して奪えるのか? この二十年の自分の努力が霧消してしまうかもしれない状況に、彼女の心やいかばかり。興奮して首からのケムがぽっぽこ出てる様子がなんだかかわいいが、まあそれはそれとして。…んー、ここで今までの「首という過去はいいから現在を見よう」っちうテーマが生きてくるのかしらん。


あと、キレて弟さんをぶっ飛ばしつつも、理屈じゃない愛を語る彼に「イザヤよりはマシだ」と評する平和島さんが判りやすいな。リクツが嫌い≒イザヤさんがイヤなのね。価値判断基準の真ん中にイザヤさんを常駐させたはんのか。ある意味、大好きなのかもな。ある意味。


ソ・ラ・ノ・ヲ・ト・9話。台風災害に収穫祭に、といつの間にやら秋らしくなっておる。てことで、台風時に「ちょっと裏の畑見てくる」と実にヤバい行動に出た坊ちゃんの探索話。1話から印象的にチラチラと出演していた砂漠の狼なクラウスさんだが、実は別人であってただの通信兵さんでした、…ってそら間違えるよ! あんなシヴい運昇声であんな風貌じゃしょうがないよ!
 

別に英雄でもないし勇敢でもないクラウスさんだが、それと知らずに全面的に頼られてしまっては男…いや、人として頑張らざるを得ない。護るべきものがあれば人は強くなれるってェのは定番ネタだが、この作品において今んとこ最も「強そう」であるフィリシア姉さんもまた、隊の皆さんという庇護目的がありゃこそなのではあろうな。そして本来なら庇護される側らしきリオさんのやんごとなさげな伏線はいまだ展開中の状態。カナタさんの思い出の人らしき皇女殿下ともつながりはありそうだけどね。しかし親を亡くしているツインテさんといい、どなたも来歴に陰を抱えておられるようだ。…そういやカナタさんのご家族はどうなんだろ。


今回は特に何もしていないにも関わらず、いやそれだからでしょうか、ノエルさんの子供っぽい立ち居振る舞いがいちいちかわいく描けてたですかね。何かにつけて物をつんつんつついたり、夜も浅いにすっかりお眠であったり。この子もめんどくさい経験をくぐりぬけてきたっぽいのではあるよなあ。あーあと、頑張るクラウスさんはともかく、別にあそこまでワイヤアンカー弾着地点キワキワに居なくてもいいのではなかろうか、とは思った。建物側に居たら流されてたってのはそうだけどさ。


バカとテストと召喚獣・9話。姉として井上喜久子がやってくるの巻。コメディ作品に途中から登場するキャラは初期メンツに輪をかけてヘンテコなるべし、ってことで、才媛美人だけど常識に欠けててブラコン120%(おまけに喜久子さん声)という割と怖い人の登場である。とことんダメっち弟のため、そして弟につく悪い虫を排除するため、彼女は頑張る。当然ながらアキヒサさんにとっては災難である、けれど…というね。


今回はいつものカオスじみた演出や展開は控え目で、普通に伏線やら構成上のシカケやらの効いた「見やすい」回だったな。努力を誇るな結果を示せとキビしいことを言い、料理なんて勉学に関係ないとばかりな態度の姉さんだけど、実は…という基本構造がちゃんとしてたんよね。時折差し込まれるバカチンなギャグ、いちいち不純同性交友に反応するメガネホモさんとか過度にヤンでるミズキさんとか、その辺りも「メインストーリーに対するアクセント」っぽく処理されてた感じ。いつもならこのバカネタの連鎖連鎖こそが主題だったりするんだけどね。いやそれも嫌いじゃないんだけどね、まあ。