レールガン/ハガレン/けんぷファー

とある科学の超電磁砲・2話。主に白黒のツインテさんがムダに暴走するだけの話。…とにかくまあ、何か大きな事件が起こるわけでもない規模的にジミな話を、ここまでキッチリとコメディにできる技量に感心したりする。前半は部屋の中でぱんつぱんつ言ってるだけ、後半はプール掃除で嫉妬してるだけ…なのになあ。一発ギャグや小ネタに頼るのは最小限にして、ものすごくタイトでスリムな構成でもってコメディ作品を提示する。うーん、何の衒いもなく面白かったわ。


あとまあ、ツインテさん役の新井里美さんですよね。自由自在と言ってもよいほどのハッチャケぶりの上で、泣いたり笑ったりスネたりの演技もピタリとはまってて見事だった。振り幅の大きな演技って演技者としてはやりやすい面もあろうけれど、要所でのドスの利かせ方やら落差の作り方やらがすごく上手くて唸っちゃった。エエねえ。


こういう「小さな話」をソツなくこなせるってのはワシ好みだ。いや、大きい話をドドンと見せてくれるのも良いですけどね。こんなんがひょいひょい出てくるなら、これは楽しみなシリーズになりそうですわ。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・27話。ホーエンハイムお父んのユメオチにして総集編話。最近は総集編作るにしても色々と凝ったりすることが多いのだけれど、今回のはこれまたなかなかヒネリの入った構成になってましたな。人とホムンクルスの差異と対立を主軸において、お父んの心のゆらぎをそのまま話の波にするという趣向。今までの話をそのまま追うのではなく、主題に沿って再構築してある手法がなかなか上手かった。


しかしこうしてまとめて見ると、やはりアクション作画はスゲエものがあるな。ボンズさんの底力といった感じですね。初っ端しばらくしてからの暴動シーンの絵は再録なのかな、新作画なのかな。シルエット/アウトラインの取り方が妙にキモリアルで、なんか目を引いた。…あと、麻生美代子の若い頃は小山茉美、ってのが判るような判らんような、微妙なはまり方でちとウケた。


●新番組・けんぷファー。詳細は知らず、クレジットを見るとラノベ原作のようで。スジとしては、ある日突然主人公の男の子さんが女の子に変身して戦う話。それだけ…というか、今んとこ劇中だあれもそれ以上のことは知らないのですよ、ってことらしい。ゆくゆくはこのヘンテコな状況の裏に隠された巨大な陰謀が…ってことになるのだろうけれどね。


何も判らんなら判らんなりに話の牽引をしていかなきゃならないワケで、それは例えば「判らんこと」そのものの興味で引っ張るとかもあるだろうが、この作品においては勘違いえろ会話と声優内輪ネタが牽引役に当たる、ようだ。…なんだそれ? とにかく話の構成のほうはかなりユルい。俺女の子に変わっちゃったよ、というOP(実は夢でしたけど)において、いきなり女の子に変わった姿から見せてもパンチ力弱いのとちがうかなあ、とかね。諸々の状況説明や話の進み具合も、テンポが良いと言うよりは割とおざなり。多分力足らずでおざなりなんじゃなくて、そこを描く気がないってことだろうな。


声優ネタに関しての野村道子とか田村ゆかりとかの要素は…そうねえ、原作では多分ほぼ出オチに近いんじゃなかろうかと思うんだけど、ずうっと引っ張ってく価値があるのかどうか。それよりも個人的に、男の子役やってる井上麻里奈とかバカえろ台詞言わされてる堀江由衣とか、そっちの方も面白かった。


てことで、世界観とか上記内輪っぽいネタ等が合えば充分に楽しそうなアニメなんだけど…うーん、ワシにとってはちと範囲外っぽいなあ。この先見るかどうかは判んない。