ソラカケ/咲

宇宙をかける少女・21話。箱入りアキハさんは箱環境に順応しつつあったが、イモさんの諄々たる説得によって現実へと帰らんとする。しかしイモさんは皆を救うためにその身を犠牲にして…ううっ…という、そんな話。ラストの特攻イモさんはまあ、伏線もほとんどない「誰かを犠牲にさせるためのシカケ」っちう感じで構造的にはあまり練れてないんだけれど、この作品において人格(?)高感度の最も高い彼女(?)が犠牲の任に当たる、ってとこで物語強度を持った感じやね。


…うん、「伏線が希薄」と上では書いたけど、イモさんが大事な存在であるという意味では今回も周到に伏線は張ってあるのだ。てことは多分、制作側はキャラ的な伏線の方が重要だと判断して意図的にそうしてるのだろう。大域的構造にイマイチすっきりしたとこが無くて話のヘソの見辛いこの作品だけど、各々のキャラを注意深く立てることでそれに代わらせている、ってことかな。


まあ、ネルヴァルがナポリタン作ってたりアキハさんの復帰キッカケがまんまる焼きだったりする今回だ。「食」という生理的な要素が今回のヘソだったと見るべきか。…にしても、箱人たちが喰い物に対してあそこまで嫌悪的なのは変な雰囲気だなあ。いかにもネット住人っぽい設定なのに、美味そうなメシ話に無関心とはね! そこは喰い付くべき! あと、宇宙に落っことした沢城さんが実はイモさんを救ってた、という展開になったり…はしないか。


咲-saki-・8話。決戦前夜、である。ラーメン喰って手ェつないで風呂入ってイチャイチャする、いろんな女子の人たちを見る話。戦いに向けてのタメ描写なのではあるが、主人公たちの次の対戦校についてのみ明らかに描写時間が少ない。「いやあすぐ負けちゃうだろうから御座なりに」っちう雰囲気とも違い、この情報量の少なさは意図的なシカケではあろうな。まァ最終的には負けちゃうんだろうけど、ちょっと面白い。


この作品の美点だか何だかとして、ベタを堂々と提示するってのがある。会話が盛り上がってくるといちいちズバッシャァァァとかキャラリラリィンとかのSEを平気で鳴らすとか、真面目で頑張り気質の片目キャプテンさんのマジな雰囲気を出しといて、オチとして機械関係はカラキシダメですよ、という絵を持ってくるとかね。んー、個人的にはエエことだと思います。しかしまあ、マシンがダメって、パソコンケーブルに触手責め風に襲われるとは大概であってそれはもう苦手とか言うレベルではないのでは。パウリさんもびっくりだ。