押してもダメなら引いてみる

●知己が以前住んでた建造物は(今のワシの居住地に負けず劣らず)築年数がイった物件であり、いろんなところにガタがきていたそうな。部屋の錠もご多分に漏れず調子が悪かったのだが、そのうち鍵を挿してもちっとも回らなくなってしまった。別にそんな大財産持ってはったワケでもないが、やっぱし鍵が掛からないと精神衛生に良くない。よな、やっぱ。


あれこれ試行錯誤してるうちにコツを掴む。がむしゃらに鍵を回してはダメで、回転の抵抗があったら一瞬力を緩め、その隙に扉をグッと持ちゃげてすかさず鍵を掛ける。これでOK。解錠するときも同様のコツが必要なので知らぬ人間にはまず開けられない。逆説的に有効なロック方式じゃないか、とはその方の言。


…ま、持ち上げて隙間や遊びができるような扉など、解錠なんかせんでも扉ごと外れちまうのではなかろうか、という感想もないではないが。


●現在ワタシが職場で使用しているズボンのベルトはベルト穴が無いタイプのヤツだ。アレだ、バックルの中が摩擦式のラッチになってて、適当なところでグイと引っ張ると固定されるヤツ。長さがアナログ的に調節できるのでそういう意味では様子がよろしい。


…のではあるが、これが一刻を争うときにはかなり一刻を争ってしまうのよな。具体的にはあのー、一刻を争う勢いでトイレ個室に行きたいとき、ですよ。そんな状況下でズボンを下ろすためにですな、ベルトを緩めるにはですな、まず先に一旦ベルトを締めねばならないのですな。するとラッチが緩んでベルトが外せるようになる。これがアンタ、一刻を争う状況下ではかなりクリティカルな行為ですよ? 我がお腹がシメちゃらめーもう出ちゃうーとか言ってるときにシメねばならんのですよ?
 

またこういうときに限ってシメたらシメただけ縮まって固定されちゃうんだわ。もうワシどうしたらいいか。いやあ、我ながらよく助かったものだと思いました。うん。まあね。なんとか。