パンプキン/のだめ/すもも

パンプキン・シザーズ最終話。うん、最後はなんとかエエ感じに盛り上げもカタルシスもあって悪くなかったな。まその、人死にだらけの社会的歪みを「夕陽の土手で殴りあって解決」みたいなサワヤカさで済ませてええもんかいな、とは思うけど。急にいい人になって落涙までするという嘘臭いキャラを、茶風林の演技でだいぶフォローしていたと思う。


総評。初めは面白かったのよ? マジで。んで、張りまくった伏線を何一つ解決しないままだったり、異様に水増しされた展開が続いたり、手前勝手なキャラの動かし方に鼻白んだり…とまあ、後に行くにつれて辛いことになってったなあ。これは原作の責じゃなくて、この原作をアニメ化しようと決め、またこういう風に料理しようとした側の問題なのではなかろうか。ねえ。


作画的には見所も多く、また一話完結的な掌編にも楽しいものがあったりして、簡単に切って捨てられない作品だったのは事実だけど。


ワタシが一番辛かったのは、上記のような「粗」があんまりチャーミングじゃないことだなあ。そういう芸風というよりは、ただやり方が拙いだけ、って感じに見えたんだよね。うーん、原作がたまったら第二シーズンとかもあるのかも知れないが、お付き合いするかどうかは微妙ですな。


のだめカンタービレ10話。それぞれの学園祭でゴーである。まずは露払いとしてのSオケ組、相変わらずの奇矯さで「やる前から伝説」になっちゃうのであった。それを見た千秋さんはなんだか嬉しいのであった、という。あとここにも藤原啓治出た。


クライマックスのガーシュウィンは、劇中で言われているような「かっこよさ」がちゃんと出てて素晴らしかったですねェ。ピアニカのフ抜けた音が良い個性。鍵盤をコスるノイズまでシッカリと芸になってました。これ、実際にやったら演奏者さんたちは確かに幸せだろうね。


のだめさんのマングース話が実にどうでもよかったり、細かいエピソードも微笑ましい。あー、学長さんとシュトさんのヤりあいがなんか良かったな。付き合いの長い喧嘩関係みたいで、ね。


すもももももも最終話。割とバケモノ気味なラスボスを倒し、毎度のへたれた日常へと回帰してゆく御一統さんである。音楽入りで大暴れのクライマックスは、やりすぎな演出とともに結構盛り上がってましたな。鹿野優以も演技の見せ所ってことで頑張る頑張る。エピローグの定番風味も良かったのでは。


作画の質にはバラツキがあったけど、バトルシーンはこの作品らしいシャープな作画でよく動いていたですね。…しかし、回想シーンで過去のすももさんが出てくると流石に違和感あるなあ。違う人だ違う人だ。


総評。寸止めエロに振り切ったバカ、という判りやすいお膳立ての範囲内においてかなり質の高いコンテンツだったように思います。ある意味、志が高いよ。その一方で、シリアスな味付けはどうも尻の据わりが悪いイメージが拭えなかった。コメディ部分の安っぽさは充分な味になってたんだけど、シリアス部分の安っぽさはホンマにただの安っぽさだったからなあ。


折角途中で「みんなでアパートに住む」という、どう転がしても美味しいシチュエーションになったのに、展開する前に終わってしまったしねえ。原作がそうなのかは判らないけれど、ちょっと中途半端な流れだったように思う。


ましかし、とても良い「プログラムピクチャー」だったですよ。こういうエンタテイメントでスマッシュを飛ばすのはエエことですよ。高尚な思想や作家性ばっか押し付けられても困るもんね。次回作があるなら…うーん、シリアスはほどほどであることを期待しつつ、見たいかな。