モスキートン

●蚊が許せない。そら蚤も虱も許せんが、あのヒョロヒョロ野郎どもの物量作戦は誠に度し難い。血を吸うてゆくというだけでも腹立つのに、場合によっては伝染病の媒介者となり、あまつさえ痒い。彼か我かの殲滅戦を所望したい気分でいっぱいである。


ワタシの蚊嫌いはどうやら度を越しているらしく、後輩の人に「なんでそこまで神経質なのか」と訝られた。うーん、そう改めて訊かれると良く判らん。あやつらにはただ純粋な憎悪の感情しか湧かぬ、それだけだ。


ひょっとしたら幼少時、蚊に似た人に苦労させられた精神的トラウマとかあるのかもしれない。…蚊に似た人? どんなん? ま確かに、ホンマにそんな人に出会ったら大概な正気度を失って、不定の狂気「蚊フォビア」にでも陥ってしまいそうだが。


さて今朝、また蚊の野郎が猖獗をきわめやがったので許せぬ。部屋中追っかけたがとうとう見失った。ええい、どこに逃げた。けたくそ悪い、ええわいもう、とそのままほっといて外出。夕刻帰宅して一息つき、さて夕飯の支度でもと冷蔵庫開けたら蚊が出てきた。ガキャアこんな所に! 小賢しいッ!


…ま、しかしそこら辺が畜生の浅ましさ(畜生と違います)。低温状況下にてすっかり骨抜き、もうふらっふらの状態でありました。ええ、そらもう、懇切丁寧にいたぶってさし上げましたわよ。うへへへ。