アルドノアゼロ/レコンギスタ

アルドノア・ゼロ・19話。地球への全面侵攻を掲げて邁進するスレインさん。敵対分子を粛清し、影武者姫には腹芸をカマし、とイケイケドンドンであるが、しかしどこか危うい様相を拭いきれない。「もう戻れないから迷うこともない」とスレインさん自ら言うてるように自覚はござる。この綱渡りっぽい策謀の連続は、さてどこまで歩み進むことができるのか、って感じですわな。…アセイラム姫の目覚めがどうも躓きの方向に働きそうな気がしてなりまへんね。

地球側はそらそれでモゾモゾと苦労している。大時代的な権謀術数渦巻く火星騎士たちとは対照的に、ずるべたーっとした官僚主義のおっさんども相手にやりくりしてる艦長たち、という図式っすな。そんな中の戦闘シーン、炸薬弓矢相手にしてたら三機ものカタフラクトがやってきてああこりゃヤバい…ってとこで次回に続く。戦場の初期配置設定がちょいと特殊なとこがあるのは、またイナホさんの「策」を見せるためのギミックだろうな。お手並み拝見である。

今回は演出的に凝っている、あるいはちょいと青臭いテクニークがちょろちょろあってなんか楽しかった。ドラマチックで喜ばしい(はずの)アセイラム姫の目覚めにドンパチしてる戦場風景をカットバックでかぶせてくるとか、象徴的な「鳥」をブリッジにして姫様とイナホさんのシーンをつなげて見せるとか。場所的にすげえ離れたその二人を繋がっているように描写し、すぐそこに居るスレインさんには妙にこの場所から剥離した印象を残す。小賢しい手法の連続でよろしいと思います。うん。

Gのレコンギスタ・22話。ジット団はフルムーンシップなる巨大船で地球へと向かう。これを追っかけてクレセントシップを駆る主人公ご一統、両陣営ともに新たなメカのてんこ盛り。マスク部隊、アメリア組それぞれにちゃんと行き渡るようにメカのお披露目やってんのが丁寧だし、次から次へとビックリドッキリメカが出てくんのも一種の眼福ですなあ。やっぱこういうの、男の子の趣味だよな。ずうっと四角顔のレックスノー一筋だったケルベスさんにもやっと新メカのようで、ホッとする一方ちと寂しかったりね。レックスノー、頑張ってたもんな。

てことで最終戦に向けてシチュエーションを整える話。ベルリのGセルフはそのままだが、背中に究極のバックパック背負ってこちらも新戦力。とりあえず露払いの攻撃が…強ェなおい! なんかぽわぽわしたの出したら敵のMS一群が穴だらけやぞ! 元々あまり弱点を見せないGセルフだけど、更に強化しちゃって大丈夫なのかって感じ。フォトントーピード…光子魚雷って言いました? 元ネタとしてスタトレにしてもトップにしてもヤバい兵器であるのは間違いない。まァ上記の通り各陣営にもコワモテメカ満載ではあるんですけども。何だかんだでマスクのモノになりそうな…ジーラッハだっけ? 色といい巨大加減といいデザインの異形さといい、いかにも敵ですよって押し出しだよなあ。一本足のメカというと前作・キングゲイナーにも出てきてたっけ。リオンネッターだっけ。カシマル運行部長だっけ。まいいや。

どう見てもラスボスっぽい胡散臭さだったラグーさんは金星に残りました。ごめんね散々ラスボス言うてさ。200歳がどうのと言うてたのは本当で、ボディスーツによってヨレヨレの体を支えていた…ってな描写が監督的な「歪み」の表現なんでしょうな。やりようではいくらでも下世話にショッキングにできるだろうけど、この抑制された感じがGレコっぽくはある。つーか総裁、地球を動かすとか言いました!? カルダシェフの第一種文明のレベルだなあ…。