フラクタル/放浪息子

フラクタル・8話。僧院に囚われのクレインとフリュネである。彼らを救出せんとするロスミレたち、その中にもいろいろと思惑があったりするが、まあそれはそれとして。僧院での事件と見聞を解して、クレインさんはフリュネとネッサについての部分的な知識を得、それ以上の謎も抱えることとなる…というお話。


前回に引き続き、結構な情報密度でお送りする回ではあるな。語りたいことに比して尺がちょっと足りないような、もうちょっと間を置いた方がエエようなシーンもあったけれど、それでもこの早い展開は「おお、それでそれで」ってな牽引力にもなってて悪くない感じ。フリュネという名前の、ネッサの外見をした大量の姿。個々の峻別は存在せず、また感情らしきものも感じられず、単なる道具っぽく消費されてゆく彼女たちは…クローンか何かなのかね。あるいはデータのコピーなのか。その中で「手に結び付けられた布」という一種の識別表がキッカケで一歩「個」へと踏み出す、ってエピソードはなんか天然オイルタチコマを思い出したり。


父のようなそうでないような、宮本声のバローさんが実にキモくてよろしあんした。帰還したフリュネの匂いをくんくんし、鍵の資格の検査と称して分娩台を用意する。わあキモい。…鍵ってのがまだよう判らんが、とにかく処女性に関わるものだったりすんですかね。この辺の一連の描写の生々しさはちょっと狙いがあざとすぎたような気がせんでもないかな。ま、これは個人的な好み。


放浪息子・8話。あ、もう新学期なんや。てことでクラスシャッフルの皆さん。よしのさんとさおりんはちょっとだけヨリを戻してたり、にとりんとアンナちゃんは進展してんだか何なんだかよう判らんまま関係は続いてたり、吉野声の土居さんという過去になんかあったらしきお人が登場したり…とまあ、いろいろな新シーズンの開始である。


後半の「たまたま四人でカラオケ」シーン、緊張感に加えてのソコハカとない可笑しさがなんかよし。女の子三人が…まあ、主にさおりんがかもし出しているトゲトゲっちい雰囲気を、一人女装姿の男の子であるにとりさんがヘッポコっちく何とかしようとする(んで失敗する)、その対比がお間抜けでエエなあ。


毎度ながら丁寧な演出。画面もよいが、細かい台詞のチョイスでその人物の性格や心情を表出するのが上手いね。さおりんがアンナさんに言及する時「スエヒロアンナ」とフルネーム使うシーンとか、丁寧だけどかなり人間味の薄い感じがよう出てた。あと土井さんの「昔は酷いことしちゃったけど赦してくれよ」という言葉もね。酷いことの具体的内容は判らんが、その行為をした側からこんなさらっとした台詞が出てくる、っちう無神経ぶりがよし。確かににとりんは「なんかイヤな感じ」を持つだろうな。


あと今さらですが、ちーちゃんが千葉さん千葉さん連呼するのがおかしィてね。中の人が千葉さんで役名がちーちゃんという名前だけど千葉さんじゃない人が千葉さんと連呼する。アフレコ現場でもヘンな雰囲気だったのではなかろか。