結界師

●新番組・結界師。1時間スペシャルというよりは単に2話連続ですな。てことで、異形を封じる少年と少女の話。始まって5秒で異形バトルってのはテンポが良い…というか、良すぎるというか。多用されるテロップと必要最小限の情景描写という判りやすさは、週刊少年誌という要請に拠るものだろうか。


過去に傷を負った少年が、その償いとしてヒロインに尽くすというのは…強さを求めるという副目的があるにせよ…女性視点からでも訴求度は高そうな気がする。面白いのは「泣く」というシーンが第1話にやたら出てくること。主人公は回想を含めて四度泣いている。強さを確立するためにまず精神的な弱さを見せるってことか。こういうのもちょっと女性的にエエのと違う? 二段変身して強力になる異形が、その前段階では「泣いている」ってとこまで徹底している。


初回だからかもしれんが、管理の行き届いた作画の質で見やすいな。アクションもそうだけど、自在に走る動きがとても気持ちいい。ロール見たら作監が高谷浩利に戸部敦夫、原画もアレヤコレヤとえらい豪華。反対に声優は若手や異業種メイン。ちょっと重みが足りないが、まあフレッシュとも言えるか。アリキリの石井さんと和希沙也さんは…目論見としては成功してるのではないかな。田中真弓が婆さん役ってのはちと珍しいか。野沢雅子路線やな。画面豪華で声優控え目、昨日のケンイチと製作姿勢が間逆みたいな感じ。


とまあ、なかなか手堅い作りだったのではないか。でもなー、どうも引っかかりに乏しいんだよな。今期はまた異形退治モノが多いから、どうしても食傷感は出てしまう。そこを一つ飛びぬけた特性があるかっていうと、ちょっと弱い。ま、とりあえず見てみますか。