ホスト部/無敵看板娘

桜蘭高校ホスト部最終話。さよなら環先輩。しかし部員達は納得しねえので、みんなで無茶をしつつ追いかけるのであった。障害とその対処法、そしてそれに付随するキャラごとのドラマ、盛り上げ方が上手い上手い。バラ模様の絨毯、カボチャの畑、水槽の物言わぬ魚。判りやすくも効果的なメタファーが今回も上出来。


ガケ上と道路の立体的カー(馬)チェイス、姫を胸に抱えての水面ダイブ…と何故かカリ城ルパン的なアクションを経て、イナズマお嬢さんから環を救い出すハルヒ。あるいはハルヒを救い出す環。そして彼らは戻ってくる。今後もドタバタやんだろうなあ、という(明るい)予感とともに、物語は一応の幕を閉じる。


総評。「部外者」たるワタシがここまで楽しめたのは、その誠実な普遍性ですな。ハルヒという主人公が実に真っ当で、感情移入しやすかったのですよ。初回見たときにワタシは「これは平凡な主人公が魔法世界に紛れ込む式のファンタジーだな」と思ったのがそれ。対比によって周囲の狂騒的なシチュエーションが生きてくるし、また主役を通してワタシのような部外者も舞台に入っていけた。


一部のファンからは「原作をスポイルしている」という意見があったと聞く。その感覚はよく判るが、もし「スポイル」されてなかったらワタシはここまで楽しく見られたかどうか。やっぱね、トーシロが楽しむためには敷居が低くないとね。ま、榎戸洋司アニメという味付けも良かったのだろうな。


ついに一度も質を落とさなかった作画も大したものだし、素晴らしくキャラの立った声優陣も賞賛に値する。重厚な大作ではないが、ここまで(また言うよ)普遍的なエンタテイメントってのもそうそう無いですよ。うん、楽しおました。花丸をあげよう。


無敵看板娘11話。さて、これも来週最終回だけど…まあ、ラス前だからどうなるって作品でもないわな。毎度々々のバカども襲来である。


Aパート。「若菜ちゃん敏行にのる」の巻。お犬様は案外背骨が弱いので、上からの加重には弱いのです。しかし相手が敏行であるので問題は無い。されどオカミさんで限界重量、ってことですかね? みんなの「ああ、こいつなら確かにこう乗るだろうなあ」という描写が見事。「動物に乗った姿」によって一発でキャラが判るってのはエライ。キャラの立て方が上手いんだよね。


Bパートはまあ、基本的には出オチ(タイトルオチ)ですよね。「喜色満面死闘」、この状況思いついた段階でもう勝ちだわ。間合いを離してファイティングポーズをとり、背景には稲妻がフラッシュする…といういつもの戦闘状況で、ただ顔だけがにへらにへらしているワケだ。笑いながら怒るのだ。竹中直人か。


今回もあまり言うこともなく楽しませてもらいました。えーと最終回は、おお、例の酔っ払い話か! なるほどね! 個人的には原作最終巻の、ほぼ愛の告白にまで昇華されてしまったド突き合い話もやって欲しかったが…。第2シーズン、ねっすか?