口開いて五臓の見えるラジエター

●最近、車の「顔」が大人しくなってきたなあ、と思った。


良く見てみるとアレだ、おちょぼ口になってきてんですよな。昔の車はフロントグリルががばあと開いてて、それがワイルドさの源の一つであったと思う。洗練されて無さとも言うか。


最近の車はグリルが小さい。これは冷却効率の良いラジエターが出来てきたということかなあ…と漫然と思ってたけど、すんません違いました。


これはワタシが免許持ってなくて、車のことについて無知だから今まで判らなかったんですな。最近の車のフロントグリルは、バンパー挟んで上下二つに分割されてんのね。ほとんど例外が無い。バンパーの素材があからさまな金属質じゃなくなったこともそういうデザイン普及理由の一つだろうか。


たまーに、正面にドバカンと大口開けてるデザインの車を見ると嬉しくなりますね。…ワーゲンやポルシェの「口なし空冷」の顔も、個性があって宜しいですが。


●高校時代の化学の先生。この人のオンボロ車からは冷却水が漏った。通勤の片道程度なら何とか持つが、朝に駐車して夕に見てみると、冷却水はかなり漏れ出てしまっている。しょうがないので、家を出る前・学校から帰る前に水道から水を入れていた。修理に出せば良いとか言うな。安月給は辛いよ、だ。


こっ恥ずかしいのでこっそりと注水していたのだが、ある日とうとう同僚の先生に見つかってしまう。バツの悪い思いをしていると、件の同僚先生、感に堪えぬように言うのであった。


「流石は化学の先生の自動車だ。水で走りますか」