●しゃばけ・9話。薬種問屋殺しを煽情的に扱った瓦版、絵柄のそれっぽさが面白くて多分これデザインした方も楽しかっただろうなと思った。そして今回のシリアルキラー事件に鑑み、若旦那が妙だと思うことを箇条書きにして並べ立てる…7項目もあるんだ。そりゃ作者は話を構築して開示する張本人だから何とでもできるっちゃそうだけど、ここまで分析的に事象を考えられるってキャラ設定が結構なすごさではある。
箇条書きの一つ、下手人が求めている「薬」。そこで関わってくる要因が盗まれた墨壺、この歳経た古道具が付喪神になりかかってなりきれないってんで「薬」を求めているのではないか。これは仁吉や佐助たちが周知のことのようで、かつ若旦那にはあまり伝えたくない代物らしい。しかしそうして隠していることがいいことなのかどうか…。
あちこちに仕掛けてあるギミックというかトラップというか、それらがじわじわと統合されつつある感じは長尺のシリーズならではの感覚だな。これでも小説にすれば1冊分になるかならんかってとこだろうか。映像と文章のメディアの差はこういう辺りにもあるんだろうね。
●SANDA・9話。理事長室にきっちり入り浸ってるというか入り浸らせられてる三田さんがかわいい。それもこれも修行の一環ではあるのだが、もとからフィジカルに長けたサンタに必要なのはメンタル面ってことで、女子供ババアでさえも殴れるようになれそれが大人の第一歩…ってそれでエエんかいな。そのくらいの業や責任を背負え、ってことかもしれんが。結局ブラックサンタになってるし、理事長も一筋縄ではいかん存在ではある。
生天目さんの母親(と学園長も)が美容整形を繰り返して若い姿を保ち続ける、ってのは未来世紀ブラジルを思い出す。老化が戻らない手を切断してこれで若いままと微笑む母を殺したという、いかにもな寓話っぽさもそんな匂いがする。そんな生田目さんの子供としての望み、大人を殺し過去を断ち切りたいという望みに真っ向から臨むやりかたが甘矢さん使っての銃撃修行ってのもぶっ飛んでんな。
男どもがそんな感じなのの一方で小野/冬村ペアはどうにもジットリ気味。大人になりかけの小野さんが不安定極まる状況で、一気に「どうにか」なっちゃいそうな気配がする。…三田さんはサンタとして、子供の冬村が望みである「小野を取り戻して」を受理できるのか。…していいもんなのか? さてねえ。
●東島丹三郎は仮面ライダーになりたい・9話。まずは東島VSユカリス。案の定場外から「おい早く戦え!」のヤジが飛ぶくらいどうでもいい前振りに手間かけやがったのち、気持ち悪いショッカーへの思いを拳に込めてライダーパンチの東島さん。変顔キャラでショッカーとは言え一応はカワイイカテゴリのユカリスに、忖度ナシの真正面顔面鉄拳を浴びせるのがいい。きったない顔でぶっ飛ぶし…いいな! ファイルーズあいいいな!
順当に東島勝利の後は一葉VS三葉、合気道の装束に気合入れと三葉さんを盛り立てて貫目負けしないように話を作ってんなって感じがする。ヒーローウォークは知りませんでしたが、バキ外伝の「格下は格上の周りを回る」っての思い出した。この場合は逆なんかな。とにかくこの兄弟二人のバトルは本編の見せ場だけあって、作画も気合の入り具合も十全で見てて楽しい。
「お前にはライダーが足りない!」「ライダーが足りないって何?」「ライダーが足りてないってことだ!」というトートロジーの極みの対応として、ユリコさんが単純に舌打ちしてんのはすごく正しいと思う。そりゃ…舌打ちもするよ! ライダーバカ側のことも判るけどね! その上で、ここは三葉が勝利をもぎ取る。兄を超える弟の物語として一つの完成形と言えるだろう。…んでこのトーナメントに何の意味があるんだっけ? まいいや。面白いし。
●最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか・9話。聖女ディアナ様がいかにして今ここに在るか。ただの村娘が宗教的に至高の御業を有するとなったことで祭り上げられ、その内面にそぐわない高みにまで掲げられている…という、どっかで見たような状況は物悲しい。彼女の場合はスカーレットという心理的な支えがあったからまだ何とかなっていたが、不安定であることには変わりないってことでそこを突いて利用もされる、ってことですな。
テレネッツァ嬢の搦め手は着々と地盤を固めつつある。そうねえ、ス嬢のメインアタックが直截的な暴力なので、それと対立するのはまずは姦計であるべきだ、っていうことではあるね。お互い真正面からの暴力対決を可能にする敵はもうちょっと先にとっとくべきってのは判りますし。その為にもス嬢には、敵側の状況が整う以前に出張ってこられては困る。…ワンパンマンも似たような物語構造ではあるな。
ついでに最初からスパイであるということが明白な糸目兄ちゃんの本心を引っ張り出し、その上で「それで済むワケねえよな」って念押ししといてシメ。単に「なあんだそっか」じゃなくて、ちゃんと彼の引き起こしたマイナス面に触れてるのがスカッと要素としていいと思った。そしてそうねえ、このあと一発二発ス嬢ののフルパワーでぶん殴っといてほしいとこではあるけれどな。
●シンデレラグレイ・7話。有馬記念への道。大一番の上にこれが引退試合と言うタマモさんであるが、しかしオグリはまだゾーンを見つけていない。「有馬記念を勝って終われたら有終の美とする」と言うタマモクロスの言葉が、オグリにとってある種の「呪」になっちゃうのが因果ではある。
ここにしゃしゃり出てくるのがディクタさん。素行の悪そうな不良娘そうな言動と行動しといて、その実は「ツンデレというヤツ」ですか。わざわざトレーニングに付き合って相手のゾーンの引き出しの手伝いまでするワケだし、そりゃツンデレでしょうよ。タマちゃんのトレーナーといいディクタさんといい、なんかかんか気ィ遣われてんのがオグリのキャラというかスター性でもあるんだろうな。
オグリの戦績見ると、圧倒的で無敵って感じでもなくライバルに惜敗もよくしてて、なんかすごくドラマチックではあるんだよな。それだけにレース人生後半の一時期が辛そうな感じだけど…まあそれはだいぶ先ですか。とりあえずは次の有馬がクライマックスってことで。