おお振り/地球へ…/電脳コイル

おおきく振りかぶって8話。阿部さんが元カノ投手に会いに行く話。いやまてよ、捕手が女房役だから元カレか。割と話題の投手であり、球速も早く、またチームメイトからのウケも悪くない。だが阿部さんは彼を「最低の投手」だと言うのであった…という。


他試合の観戦という、どっちかというとアクション的な谷間話のこの回にしてこの作画レヴェルなのだなあ。手を抜かない、ちうか「万全の体勢で臨んでいる」作品なのですね。日焼けすんだってんでランニング脱衣するシーンとか、呼ばれて舌打ちしつつ立ち上がる阿部さんとか、色々と見所が多おました。ええ。


こういう観戦編ってのは将来のゲストキャラを出しやすい構成なんだけど、それにしてもソツの無い顔見世興行ぶりは感心するなあ。てことで、谷間どころか却って贅沢目な話の構成になってましたのだ。…にしても、顧問(?)の先生の胡散臭さったらねーなー! 新興宗教だすな。


地球へ…・9話。シロエ対キースの決着。しかしそれは本当に決着したのだろうか。今後もキースさんの裡にはシロエさんの存在が残りつづけるであろう。「過去の無い」彼だからこそ、決してこの記憶が消えることはあるまい。…今後重要な役となるかと思ってたシロエさんだけど、ここで退場するとはね。ラスト辺り、キースさんとの対話になっていないモノローグ合戦は結構なドラマチックさがあって良ござんした。


過去の記憶(≒本当の自分)を持たないという点において、キースさんはキレイにジョミーさんとの対立概念たりえるワケですな。そのことと「キースさんだけ記憶操作ができない」ことの関連はよう判らんけど。しかしまあ、居住者全員を幼児退行させたりして、ジョミーさんはホンマに悪役ボスっぽいことになってきたなあ。


電脳コイル4話。イサコさんは典型的な「協調性の無い有能者」であり、めんどくさいことにそのことに自覚が無い。「いつもこれだ」の理由がテメエにあるとは思っていない(少なくとも、他者の方に大きな原因があると思っている)のだろう。てことでうざってー野郎どもをコテンパンに電脳パンチしちゃうイサコさんであるが、フミエさんとは一応の痛み分けの双方陣を引けい! なのであった。


いや、前回あまり見せてくれなかった「ウィザードとしての攻防戦」、今回はよくよく堪能させていただきましたでヤンス。判りやすく視覚化されたハッキング合戦はなかなかのハクリキで、色々と面倒な裏設定があるだろう事象を丁々発止の剣戟っぽく提示してて偉いもんだと思った。…屋上のイサコさんが「瓦礫の国の王様」(女王か?)みたいでカッチョ良すぎ。あの構造物、自分でうんこらうんこら作ったんだろうか。


電脳メガネに隠されたひみつどうぐはイマーゴというらしい。理想像としての親…ですか。成虫の意味を持つ言葉が、幻影(イメージね)という意味と同語源ってのはイロイロと勘ぐれるとこでありましてまあそれはいいや。あと、この子供世界では「世知辛い」って言葉が流行ってんのかな。