おお振り/地球へ…/電脳

おおきく振りかぶって5話。雨降って地固まると申しましてな、いっぺん腹割ったあとの人間関係は強いものであるよ、てなお話。意見の相違→止揚、に到るまでの流れが実に甘美な少年野球物のそれであり、見ててなんかもう頬が緩まざるを得ぬ。熱いやねえ。


その一方でシッカリと「俺を選ばせてやるぜ!」てなアレ風台詞を織り込んでくる全方位性はどうですか。確かにこの作品は様々な層に受ける要素があり、さらにその要素がどれもこれも良質だ。これ、よほどしっかり下準備しないと作れない作品だよな。贅沢な話である。


登場人物のだれもが知りえず、視聴者のみが判る「両ピッチャーの鼻歌」の見せ方がエエ感じ。この瞬間視聴者は、阿部くんよりもカンサイノッポよりも俯瞰的な位置に立つワケだ。ふーむ、何の衒いもなく面白いや。


地球へ…・6話。ここで一旦ミュウを離れまーす。なるほど、ここまでしっかりとノーマル人間たちの話を掘り下げていくのか。実際、かなり特殊環境にあるミュウたちの話より、こっちの方がフツーに乗りやすいってのはしゃあないかな。


てことで残された陽気友人・サムさんの…じゃなくて子安キースさんの物語でした。宗教集団に片足突っ込んだような新人大人たちに混じって、キースさんの超然的態度は異彩を放つ。当然成田剣の意地悪エリートに目をつけられたりして…って、あーこれは素直な学園モノ。なんか割と面白いぞ。


非常時爆砕するエアロック描写とか、細かいディテイルは毎度ながら結構凝ってるな。あと、やっぱり「先生役」は折笠愛なのな。この世界ではそういう決まりなのかしらん?


●新番組・電脳コイル。ある種の人たちからすげえ期待視される作品である事は間違いあるまいぞ、てなワクワクに全身で応えて下さる一品。決して決して派手ではないが、冒頭の電車シーンからすんげえ作画ァなアニメートであって眼福にも程がある。てェか作画監督本田雄を筆頭にアホみたいな作画陣がすさまじい。


本編はっちうと、とりあえずの導入部は「となりのトトロミーツ電脳世界」って趣ですか? 一話分にしては新規用語の量が(フォローはされていたにせよ)多めであり、中盤辺りはちと流れがギクシャク気味であったような気がしたな。電脳空間の描写は現実の電子網の類推がストレートに利くように作ってあり、適度なウソ臭さも悪くない。デンスケさんのブサイクかわいさが上手いな。


OPとEDの曲は透明感があってドラマチックで好み。眩しすぎて見つめる事も〜、の前のタメがエエね。てことで、今後とも楽しみな作品ですな。