ねこの人

●時々部屋の前に顔を見せていた白い猫。本日帰宅したら、まさに横っちょの窓から退避する瞬間であった。おまえ、何が面白うてワシの部屋の前を通るねんな。エサも何もないよ? …たまに出てくるノミの原因は、ひょっとしてチミなのか?


ヤツだけじゃなく、この近所には結構ノラネコさんが多い。そのうちの気になる一匹。事故にでも遭ったのだろうか、後ろ足が一本切断されている。歩くときもひょこひょこである。そんなような状態なのに、器用に屋根には上るのである。猫ってェのは面白いマニューバを持っている生物である。


まあアメリカではネコってェのは、どんなに高いところから―それこそ飛行機から―落っことしても、地上でひらりと着地する生き物だと思われているらしいからな。脚一本無くても身軽に動くくらいは朝飯前かもしれない。そういやかの国ではネコには9つほど命があるらしいし、そうそうのことではへこたれないのであろう。


雨の日にはよく、屋根の陰になっている所で雨よけしつつ件のネコが丸くなって寝てんのが見られる。「雨の日のネコはとことん眠い」らしいが、それにしても堂に入った眠りっぷりだ。こういう時のネコはホンマ、眠るあいまに人生(猫生)やってんじゃねえかって感じである。


「ネコ」の語源には複数の説があるが、その一つとして「よく寝るから」というのがある。


●その三本脚猫さんも最近見かけなくなった。さて、どこに行かれたのか。もしお亡くなりであるならば、天寿を全うされたものと信じたいが。…そういえば、ちょいちょいこっち見ては愛想していたあの三本脚さんも白猫だったなあ。