桜蘭高校/カペタ/ハルヒ

桜蘭高校ホスト部4話。ハルヒさんは本日も順調にその天然お水っぷりを発揮しておられる。…所へ、やってきたるはオタ娘さん。…これ、オタ…かなあ? まあとにかく、セガ系コントローラ+ソニー系本体のコンシューマ機で美少年ゲーにいそしむ性癖の持ち主である。そしておしかけマネージャと相成るのだが…。


強固な思い込みと無駄な行動力で周囲をぶん回す迷惑娘(吉住梢はなかなかのフィット感)、パリにて急遽旅立つシーンのダイナミックなテンポが凄かった。彼女が部員を評して仰るには、皆さんキャラが弱いと。単なるバカでは飽きられると。…ま、アチシらにとってはそのバカのおかげでとっつきやすくなってんですけどね。


キョーヤさんがいきなりカメラぶっ壊したには「キレ所の判らん人だな」と思ったが、まあ…これは所謂キッカケですからな。本人もどこまで演出だったのか明かしてないし。てことで、うーん、毎度々々シッカリまとまった作品ですね。なんつーか、暴走にするにかまけない手堅さがあるなあ。


カペタ32話。ファイナルラップ。リョウは全身全霊をかけてブロックし、カペタはその身をゴリゴリと削りながら猛追する。この2台がダンゴになって走る様で1話丸々。「デッドヒート」という概念を具体化したらこーなんじゃねえか、てな凄いテンションである。


最後の最後、カペタは周回遅れのカートにぶち当たりつつもその勢いでリョウに並ぶ。雨上がりの金色の光の中、横一線でゴールになだれ込む絵が美しい。そして…負けてしまうカペタ。彼の意識は既に無い。期せずして起こる「平」コールも彼には聞こえない。朦朧とした意識の中でただ、畜生、と吼えるのみ。


うーむ。これが熱くなくて何とする。今までこのアニメを「面白い」と思いつつも、それは原作の力なのかアニメスタッフの成果なのか判断しかねていたが…いや、これは大したもんだ。原作が今回のアニメに負けず劣らず面白いだろうことは疑わないが、それを30分丸々のテンションを維持したまんまアニメに移し変えるってのは大概やないよ。見事であったと思う。


細かいとこだけど、カーブを曲がる際にカペタとリョウで体の傾きが反対なんだよね。こういうとこも丁寧で宜しかった。


涼宮ハルヒの憂鬱6話。えーさて、絶海の孤島で閉鎖環境でミステリで。メタフィクションですよとメタなことを言う古泉さんとか、自己言及的な状況展開とか、まあその、誰もが思うことでしょうが押井だ。ていうかうる星だ。誰がコマドリを殺したかだ。


まァ今の所、この人外三人どもやらこの世界観やらがどこまでの「物語的限界」を持ってるのか判んないからなー。袖口をパンパンに膨らませたマジシャンの手品見てるようなもんであって、この状況でホンマにミステリ的に見てる視聴者も少なかろう。このシカケでどーゆーバカネタをやってくれるのか、ってとこに期待すべきでしょうな。…ってまァた次回はシャッフルですか? むむ、この構成自体にも何かあるんだろうが、ね。


ちょっと感心したのが、こういうミステリにはオールスターキャストだ、ってのがよォ判ってらっしゃることか。井上和彦の主人に大塚明夫の執事に森川智之の友人に…ってなあ、そらすげえや。これなら「ああ、犯人は岩下志麻だね!」って事態は避けられますな。


話のテンポは例によってよろしな。振り向いて「大好き」って言え、ってとこで「だ」「やっぱいいわ」の呼吸が見事でした。