●脳内に「探しているゲーム」っていうジャンルがある。まあ、本もマンガもその引出しに入ってるんだが、ゲームが一番件数が多いようだ。
たとえばそれは、FCならばジョイメカファイトやキャッスルクエストであり、SFCならワーヒー続編などのバカ格闘ゲーであり、サターンならわくわく7や七ツ風の島物語であり、ドリキャスならバンガイオーやダイレクト版ヴァンパイアクロニクル、などである。
そしてここ最近の渇望トップは、PS「グルーヴ地獄V」である。多分「バイトヘル2000」のCMを見て火がついちゃったんだろう。
リメイクの「バイトヘル」は単なるミニゲーム集のようだが、グル地(そんな略し方は聞いたことがない)は相当にひねくれたゲームだった。なんせゲームのジャンルが「クソゲー」である。自分でそう言ってんのだ。
基本は音響遊びソフトである。がしかし、ゲーム開始時には材料となる音源がほとんど無い。よってその音源を集める所から始まるのだが、その方法は「100円入れてガチャガチャを回す」である。当然ダブる。さらにキン消しや蜘蛛の玩具などの要らん物が出る。すぐ金はなくなる。よって、金を稼ぐためにバイトと称してミニゲームをするハメになる。…なんと理にかなったバカであることか。
バイト地獄(ミニゲーム群はそう呼ばれる)の白眉は「ボールペン工場」であろう。どこぞでネット版を見かけたので、やったことある人は多いかもしれない。陰鬱な雰囲気の異国の工場の中で、流れてくるボールペンにひたすらキャップを付けてゆくのみ。時間制限も目標得点も無い。シベリアの凍土に穴を掘って、掘ったら埋めて、また掘って…の繰り返し作業を思い出す。いや、そんな経験は無いんだけれど。
これ、妙に時間を潰してしまうのだ。何が楽しくてこんなもん何十分もやってしまうのか。ワシはバカか。…その他のミニゲームも想像を絶する頭痛具合であって、実に愛らしい。
何で探してるかってェと、あげちゃったんだよな、このゲーム。電グル好きの後輩に。喜んでくれたようだからいいんだけど、いざ自分用のを買おうと思ったらどこにもありゃしない。ちぇ。
ボールペン工場でまた、社長にスカウトされていきなりゲームオーバーになったりしたいものだ。一回目にやられた時は愕然としたが。