水星の魔女/バーディーウィング

●水星の魔女2期・3話。音信のなかったグエルさんの担当回。地球側ゲリラの偽装作業員という立場のまま無気力に呆然としていた彼ですけれど、侵攻による戦闘余波で精神的にも肉体的にも動かざるを得なくなる。父も会社組織も無くなった今、彼には何ができる? 少なくとも今の状況では、目の前のツンケンしたクソガキ一人の命も救えない。ともあれ、両足で立つには至ったワケだ。

地球側の描写は、宇宙側との対比もあって殊更泥臭くて埃っぽい、あまり救いのない様相になっている。仲間たちや子供がパカスカ死ぬ悲惨な戦況だが、これでも高々MS数機同士の小競り合いに過ぎんのだよな。ま、そりゃノレアさんたちにとっちゃ、トミノ学園の生徒たちの浮かれ野郎ども虫が好かんだろうね。…あとどうでもいいけど、予告のプロスペラ能登さんがものすげえ恐ろしそうな声で演技しててちょっと笑ってしまった。やりすぎだよ!

●BIRDIE WING2期・3話。イヴとアオイの因縁。それを明らかにするには20年前、彼女たちの親世代について語らねばならない…ってことで回想話。ゴルフこそが世界を動かすという世界観が潔くて、コロコロ・ボンボンのホビーマンガというか麻雀マンガのメソッドというか。親の因果が子に報い的な流れはやっぱり往年の大映ドラマのノリでもある。そしてそのノリならば「事故で亡くなった一彦さん」は実は生きてるよね多分。ともあれイヴとアオイの関係性は大いに揺らいでいるのだが、さてどないなることか。

てな感じの大時代的なドラマのワリを喰って、いきなり強キャラオーラを無くしちゃった田村ゆかり小林ゆうのペアが割とかわいそうではある。話がパカパカ進むのはこの作品の美点でもあるけどね。あと過去回想ってことで、古谷徹鳥海浩輔甲斐田裕子皆口裕子がすげえ頑張って若者声出してんのが「大変だなあ」と思いました。…廣田行生さんはだいぶ辛いな。

●あと感想書いてないけど江戸前エルフは見てて、しょーもなくも大事なる江戸東京下町の日常を丁寧に描写してていいなと思ってて、そしたら551の豚まん出てきた。確かに大阪土産ならこれは定番だろうなあ。堂島ロールもいいよね。そして関西ダークエルフに釘宮、なるほど高身長へっぽこエルフ小清水に釣り合うゲストキャラとなるとそうなるかあ…と思いました。それはそれとして、400年前のことを数年前のように懐かしく語るエルダの様相は、ちょっとだけセンチメンタルな味わいもある。たくさんの経験と出会いがあったのと同じくらい、たくさんの別れもあったのだろうと。エルダのため込み癖はどちらかというとエルフというよりホビット的なんだけど、そんなけ過去の思い出を重畳に感じてるってことなんだろうな。