吸血鬼すぐ死ぬ/虚構推理/ヴィンランドサガ

●吸血鬼すぐ死ぬ・8話。Aパートはオオゼンラニウム襲来、大まかには大塚明夫にへんなセリフ言わせるのを楽しむ話。あと日笠陽子マリアさんによるサービス…サービス? シーンあり。BパートはY談おじさん襲来、井上喜久子井上和彦がイチャイチャする…うんまあ、しないな。そういやこの二人井上、うる星でも共演してましたね。半田くんの中では「たまにはお母さんにぎゅっとされたい」ってのがY談に当たるのだという知見を得た。Cパートはミカヅキさん襲来、中二病を乗り越え一人前のハンターになってから新横を去る。なんかこう、へんなことさせられ損という気もするし、それこそ視聴者が見たかったことだよという気もするし。まあいいのではないでしょうか。

●虚構推理・8話。ホテル王の音無氏は自分を罰したい、という話。過去に妖狐との契約にて妻殺しを行ったが、そのお陰で…全てがうまくいってしまった。そのことへの背徳感が彼を苛み、また子供たちへの悪影響を憂う。よって今回琴子おひいさまへ依頼されるはアヤカシのキツネが憑り殺したなんぞという「荒唐無稽な真実」に代わる、もっと合理的な殺人手法という虚構。ついでにそれを子供たちの方から出してもらってそれを判定する、という。またややこしくまわりくどい設定を考えたものだ。にしても音無一族を集めての説明シーン、向こうさんからすりゃァ琴子さんたちの胡散臭さは大概だろうな。一族内々過ぎる案件にしゃしゃって来るのが片目片足でやたら弁の立つちんまい娘(お供のシュッとした青年付き)だからねえ。

さて、この前提がそのまんま進行するとは思えないのがこの作品。どうだろうねえ…それを示したのは音無氏の言葉だけだしなあ。妻の死は本当に彼の語った通りなのか。子供たちは本当に現状を良しとしているのか。まあその辺の種明かしは次回ですけども。

そこそこ重苦しいモチーフの話にとぼけた茶々を入れてくるのがこの作品のエエトコだが、今回も怪しげこの上なかった妖狐がおひいさまの前に出てきたら他のキツネどもにドつき回されてるとか、おひいさまがUFOキャッチャーで欲しがってんのがエロボールペンだとか、九郎先輩を鼓舞しようとえっちな下着履いてきたんですよ! つったソレがペイズリー柄だとか、変なアニメだな改めて! 品性が無いしな! あと音無氏に家中宏、その次男が内田直哉という親子そろってエエ声過ぎなのも面白い。…いや待てよこれと検索したら子供の方が五つ六つ年上だ。いいですけどね。

ヴィンランド・サガ・8話。トルフィンの悪夢は彼の過去と現在と未来についての重大な齟齬がもたらしている。奪うことと怒りだけが存在意義であった彼が、その双方とも無くしてしまってからっぽであるとすれば、なぜ彼はここに居るのか。居て然るべきなのか。「思い出したくない何か大事なことを忘れている」のは、それが彼の未来…存在の根幹にかかわる矛盾であるから。多分それは、生涯解消されることはないのだが、まず意識に上らねばならない。まだ少し先になるのだろうが。

からっぽであると思っていたトルフィンが、麦の恨みってんで小作人を覚えずぶん殴ったシーンはなかなかのカタルシスであったけれども、まあ大問題にはなるわなあ。かつてのトルフィンなら気を抜いて後ろから殴られることもなかっただろうけれども。