リベンジャー/吸血鬼すぐ死ぬ/虚構推理/ヴィンランドサガ

●REVENGER・4話。おさむらいさまと惣二さんとの同居暮らし。「承知した、万事適当に致す」…何につけてもマジメ過ぎる繰馬様をどうしたもんか、という糸口ってのが「絵」とはまた面白い切り口ではある。何の経験もなく筆一本であそこまでの「南蛮絵」、つまり写実的な絵を描き上げるだけでも面白いが、これは繰馬様って映像記憶的な能力持ちってことなんかしらね。その辺、今後のネタになっていくのか否か。

何だかんだで面倒見の良さそうな惣二さんがいい。このメンツの中でこの人がいちばんマトモに近いんだろうな。繰馬様はあれでどっか歪んでるとこありそうだからねえ。

●吸血鬼すぐ死ぬ・4話。前半は野球拳大好きとコユキさん。この二人が今後もつかず離れずの関係性ネタになるとはなあ、っつーかどういう取り合わせなんだろうねこれ。キャラも中の人も年齢差スゲエけども。あと野球拳の第一声のフツーさがいい感じで、千葉繁こういうのも上手いなと思った。後半はショタルクとミラお母さん。2期最終回はこの話かなーと思ってたがここでぶっこんで来た。てことは最終回はもっとしょーもない話になるぞという崇高な宣言と受け取った。いいことである。

ミラさんに田中敦子。この作品ならそういう贅沢なことするだろうなというキャスティング。ご真祖様の中田譲治が一瞬だけ出てきたので、今後の話で本格登場が期待できそう。あとショタルクは田村睦心…この作品だとあっちこっちで大忙しだなあ。ちっこいキャラ軒並みやってない?

●虚構推理・4話。ムロイさんの嫌疑はすでに晴れていた。がしかし異形の知恵の神であるおひいさまとしては、ムロイさんにただ状況を伝えるだけではそのお仕事を全うできない。だからこそ、ハッタリとしての虚構推理を開陳して雪女との関係性を認識させる必要があった…と。毎度々々それらしい嘘八百を喋り倒すためのギミックがヘンテコだし、事件の真相は「そこら辺の幽霊に聞いたら判った」という身も蓋もなさだし、面白さがすげえ変化球なンはこの作品らしいなあ。

真犯人のホワイダニットがなかなかの拗らせぶり。代理ミュンヒハウゼン云々とも違うし、何だろうねこれ。おひいさまとクロウ先輩それぞれの異質さもあって、異形であるはずの雪女がいちばん真っ当に見えるのがこの状況のキモ。それがサブタイの「純真」ってワケなんだろうねえ。

ヴィンランド・サガ・4話。今まで「狐」に耳斬り飛ばされても何の感情も見せなかったトルフィンが、「蛇」の技の起こり(そして心の中に在るアシェラッド)を見た一瞬で攻撃モードに入ってしまう。蛇は「お前は生きたいつってるぞ」と言うが、トルフィンは自分の「生」に対して戸惑うしかない。そして彼の希死概念は、戦士という出自も相俟ってエイナルのやる方ない憤怒を誘う。…そうか、トルフィンが雑に捨てようとしている「生」は、エイナルとその家族たちがこの上なく求め続けていたものなのだな。その不平等、不均衡。それはこの世界のあらゆるレイヤに満ち満ちている。彼ら二人がそんな歪みを御する…折り合いをつける…あるいは乗り越えることができる日は来るのかどうか。つってたらクヌートが出てきましたけどね。これも大きな歪みではある。

物語としては大きなものでもなんでもないが、各キャラの演技や作画演出に至るまでも鋼板のように重く分厚いので、視聴後にとても大きな感触が残る。トルフィンが「たくさん殺した」と言う時の、切り倒された樹木だらけの荒涼とした心象風景がキツい。んでもってあと、各所で描写される身体性。トルフィンの傷だらけの手、エイナルの怒りで広くなった背中、彼らのガサガサの唇。これらの生っぽい身体感覚がまた、エエのよなあ…。