夢の話は誰も聞かない

●夢を見る。どこが庭か路地かも定かでない雑多な住宅地を抜け、迷った末にやっと1車線そこそこの広さの車道に出る。道向かいには自然の石窟をコンクリで形ばかりに補強したような隧道入り口が二つあり、それぞれ「地下街出入口レベル3」と「レベル4」という落書きがある。この辺りには広大な地下街があり、大体は賑やかな商業施設なのだが、一部には人もまれにしか通らない得体の知れない区域がある。この入り口はそういう感じであまり知られていない通路であり、「レベル」ってのはマイナーな度合いであるようだ。つまりどこかにレベル1や2のもっと昏い通路があるということだろうが、それはどこだか判らない。石窟入り口を見ると照明はされており明るいが、天井近くに仁王像のような大きな彫像が張り付いており、どうもそれが時々動いている。早速気味が悪いが自分はこの隧道を通過しなければならない。隧道の奥、地下通路は複雑かつ不気味である。一見屋外のようなブロック塀の小道や延々と続く薄暗い戸棚の列や五百羅漢のような彫像が並ぶ通路などを進んでいると、いつの間にか陰気な感じの少女が横に居る。おさげ髪で色白、どこか悲しそうな様子の娘さんである。自分はこの子を地上に連れて行かねばならない。しかしもう少し進んだところで異形の中年女性が後を着けてくるのに気づく。顔に張り付いた笑みと威嚇的な体勢は人間離れしていてなかなか怖い。少女の手を引いて逃げるのだがあっという間に追いつかれ、中年女性は通路彼方の闇へと少女を連れ去ってしまう。呆然としつつ無念を感じていると、正面の闇から二十代半ばくらいの女性が出てきて「いやあ残念だったねキミの力が及ばなかったのだな」とか言いつつこっちに来る。ぞろっとした感じで地味な服装の小柄な女性で、こけしに似た無表情な目とふにゃっとしたアヒル口がただならないような無害なような達観したような無責任なような、不思議な印象を与えている。少なくとも自分よりは頼りになり、かつこちらに手を貸してくれるようなので少女が連れ去られたことへの助力を乞う。しょうがないなあと言いながら同行してくれる、そこで目が覚める。

自分の夢としてちょっと異質なのは登場人物がほぼ全員知らない女性ってとこ。大体はおっさんだったり少年だったり、女性であっても知己や身内であることが多いんだけど、こういうキャスティングはあまり記憶にない。何なんでしょうね。フロイト先生には聞いてません。

追記として:それぞれの女性の何となくのイメージは、少女→カプコンヴァンパイアハンターアニタと日本人形 中年女性→ドラクエのくびかりぞくを不安の種の画風で描いたようなの 助力お姉さん→おじゃる丸うすいさちよを地味な色合いにして目をこけしっぽくした感じ でしょうか。  20221228

●本年の書き込みは多分これが最後なのでそれでは良いお年を。ワタクシは年末年始ずうっとお仕事です。存分に蔑むがよい。ではまた。