よふかしのうた

●よふかしのうた・最終話。探偵さんのことは一旦措いて、まずはナズナさんとコウくんの事情についてええとこまでケリを付けといてシーズン1をシメる。実はおとこのこ(こ?)だったハツカさんとの会話を通じて、お互いの関係性について距離を測るコウくん。人が人のことを知らないのと同じく、ヴァンパイアも自分について何も知らない。だからこそ、退屈しない。それを是とするのは、長く生きるヴァンパイアにとっては大切なことなのだと思うけれども。

そして「コイバナ」で終わる物語。月に映えるのはナズナさんと、ぺんぺん草のナズナ。…ぺんぺん草って映えない単語だなあ。今検索したら「あなたに全てを奉げる」ってろまんちっくな花言葉してんのにね。うん、ナズナさんにお似合いだよ。知らんけど。

総評。これは確かに…原作主導な作品だなあと思う。アニメオリジナルだとなかなかここまでジャンルの絞り切れない企画は立てづらかろう。一人の作者が漫画という小規模なコンテンツにおいてならゴーサインを受けられる、そんな作品。なりゃこそここまで個人的な好み・フェチズムをダイレクトに昇華させたみたいなことができる。

そのベクトルをしっかり受けて、作画も演出も美術もブレのないディレクションで仕上げてきたスタッフもよろしかった。私の中にあんまり見当たらない味わいのアニメだっただけに、素直におもろかったってのがおもろかったよ。…それにしてもナズナさんのデザインはやっぱ、とがってるよなあ。いやちちの話だけじゃなくて。あの全体デザイン・カラーシェーマはどっから出てきたものなんだろうね。うん、重ねて言うけどおもろかったです。2期もゼヒ。