ハコヅメ/平家物語/ルパン三世

●ハコヅメ・8話。敷根巡査登場。ポジティブで正義感もあるが、ナチュラルにパワハラジェンダー偏見体質で融通も利かない、という…創作物で見るにはなかなかアレなタイプのお人である。みな大なり小なりこういう人に相対した経験はあるだろうし、また自分の中にもひょっとして存在するかもしれないなあ、という妙にリアルな手触りがある。この人に比べるとスキンヘッド強面の副所長の方が、まだ創作物へのアダプテーションされてるよなあとか思います。しかし相変わらずケンコバに違和感がないな。あと朝礼の際に格闘術訓練(前蹴り)やってんのとか、そういうディテイルも楽しかった。ホンマにやってんだろうなあという感じがするよね。

絵コンテに川尻善昭。この人わりとコンスタントにTVアニメに関わってて、かつ結構信頼度が高い。ホンマはあの硬質な作画も見たいんだけどね。

平家物語・7話。興福寺東大寺を焼き討った後、清盛は混乱のさなかに熱病にて死ぬ。もとより平家の権勢隆盛は清盛の腕力パワーに拠るところが大きかったこともあり、こっからは更に乱世となりましょうな。法皇が徳子に「あんたもう泥の中でっせ」ちうてんのはそういうことでもある。…このタイミングで清盛が去るってのはなんかこう、好き勝手やって周囲への折り合い付ける前に退場したというモヤモヤ感がありますわなあ。本人も敵からしてもそうだろうしね。

資盛はびわにここを去れと言う。それは彼なりの、びわに対する温情である。…びわと同じ視線でやりあってたこの男の子がいつの間にか、人として結構なバランス感覚を持ち「大人」になってんのが感慨深い。しかしびわ語り部として、こっからどうすんだろうね。法皇側の語り部は徳子さんなんだろうけども。

ルパン三世・18話。本編/トモエ回、どこぞの小国にて新進気鋭の女性政治家が被る中傷とかなんとか。ルパンは何か懸念要素を見たようで、かの女史のもとに赴きいろいろと暗躍するが…という話。トモエさんがらみでまだ明かされない要素を抱えたままで進む話であり、つまり隔靴掻痒。今回ゲストの甲斐田声の政治家さんにあっても、かつてトモエ師の教え子であったというその点でのギミックつながりなので視聴者側の共感みたいなのは乏しい。いきなり出てきたルパン相手に怯みもせずにお話しする、という肝の据わった描写はよろしおまっけどね。あと、マティアちゃんはやっぱり意図的に「ただの巻き込まれお嬢さんではない」みたいな演出がされてるけど、どうなんかね。まさかにチェーホフの銃的アレコレを無視した作劇するとも思えないんだけども…。銭形の容疑はまあ、これもアリネタではあるかなあ。

ルパン三世・19話。承前、銭形の逮捕によって発生する諸々。ちょい前まで単独だった銭形の、割と初めてとも言えるそこそこレベルに信頼できる相棒である八咫烏兄さんが頑張る話である。このアークではさらにアリアンナ/アリーさんも付いてくるのだが、この人がイマイチ信頼を置けない立ち位置なのが不安定要素…と思ってたらトモエの教え子だったという要素が出てきた。こうなると逆に信頼度がちょっとだけ上がるな、ってのは何故かしら。そしてマティアさんは…というね。今回は銭形の円熟加減、何故彼がルパンたちの対置キャラなのか、という辺りがおろそかにされてない描写でよろしかった。