ハコヅメ/平家物語

●ハコヅメ・5話。前半は怪奇譚と見せかけての学校荒らし案件に振り回される川合さん、後半は痴漢相手に頑張る山田とセンパイたちの存在感。いずれも人間力というか、先輩たちのいろんな意味での強さが話を支える。手順に沿ったマニュアル以上の、何をもってコトに当たるかの能力が高い。多分、作者の周囲にモデルとなる人が居たんだろうな。…エンタテイメントだからコメディとして痴漢野郎をとっちめることに成功してるけど、こういうケースなんて実際はまあ無いのだろう、そこが割と重い。ちらちらと垣間見える「笑い話では済まないこと」がこの作品の味の一つではあるんだろうな。

平家物語・4話。平家にとって重く陰鬱な予兆が少しずつ積み重なる。清盛は全く意に介さず、というかどうやらそれに全力もて抗うことができると思ってさえいそうだが、重盛にとってはもはやそのような世を見たくない、とまでの諦観を得ている。そしてその祈は叶ってしまう…残念ながら。そして徳子さんは紆余曲折の末にお子を成し、それは次代の天皇となる命を持つが、やはりその先には暗雲を待つ。びわに語る「私はどうなってもい、この子だけは」という言葉は、いかにも虚空に消えてしまうようなはかなさである。

資盛さんがなんかびわとケンカ友達みたいンなってんのは面白い。精神性が近いんかもしれんね。この二人が牛車の中、惚れた腫れたのお話してる辺りの妙な作画密度が気に入った。もうリップシンクに近い作画じゃんか。なんでまた。いいけど。