かげきしょうじょ

●かげきしょうじょ!!・最終話。寸劇ロミオとジュリエットの配役、その結末。ティボルト役を射止めた「天然」サラサさんに、自分でも理不尽だと思うような感情を抱くサワさん。自身をサリエリに擬し、努力しても天才には敵わないことへの行き場のない感情を吐露するワケである。まあね、先生の言う通り成功者のほとんどがサリエリなんだし、ゼエタクな悩みではあるのだ。そして多分…モーツァルトかもしれないサラサさんも、この先十全に悩み懊悩するのは間違いないだろうしな! あとジュリエットに選ばれた山田さんに対し、悪口から完璧にかばいつつ自身のジュリエット落選を悲しむ、それら双方を泣きながら両立させてるカオルさんがすんげえ公正なお嬢さんでちょっと涙誘うことだ。おっさんとして、頑張って歩いてる若い人ってのァもう、それだけで価値のある存在だと思いますし。

総評。物語としてはちっとも終わってなくて、だってそれは日本国のスタアが頂点である世界において「来年には新入生の先輩になるんだよ!」で終わったとこですもんね。まあだから散漫な印象だってことはなく、これから彼女たちが進んでゆく大きくてハッキリしたベクトルは示されたな、という印象もて終わったってことで満足感はある。…プロ野球という存在を前提にした上での、ちばあきお「キャプテン」みたいな感じですかね? よう判らんが。

そうは言ってもここまで丁寧に、原作をアダプテーションしたわけだし。せっかくだからこの先も、この演出と作画とキャストで見てみたいという欲求は大いにある。その辺は人気商売だから一意に決まらんでしょうけどさ。ともあれ。再度いうけどこんなに「丁寧」に、心尽くして物語っていただいたってだけで称賛に値します。初回に言うたかもしれんが私の守備範囲からちょい外れた題材だけど、楽しみました。おもろかったです。特にアイちゃんとそのオタファンとか。うん。