ゴジラその他

ゴジラS.P・8話。冒頭のゴジラっぽいものの大スケールと、ユン達が出会う人間よりちょいデカいサイズのネタ。これがゆくゆくは統合されて大カタストロフになるんだろうか。カタストロフはもう一つのスジ、メイさんが介入中の葦原の頭の中=高次元を含んだ特異点の競合体、のキーワードでもある。時間をずらして積層させて同時に走る高次元コンピュータってのもスゲエ話だが、どこまで集積できるんでしょうなあ。プランク時間のスケールまで細かしくできるならそりゃ、神をも超える代物にはなるでしょうけれども…しかしそれは崩壊する、と。ふうむ。

ユンさんの直面するヤシガニのでかいのはこれ、クモンガとかかな? と思ったら中からヘドラっぽいものが出てきた。さあどうするってとこでヒキであり、相変わらずクリフハンガーが上手いことだ。しかしジェットジャガーユング、どんどんあざとかわいくなるな! 鉄の体に釘宮声となると鋼の弟思い出すが、ここまでキャラと自我が立ってくると…ベタな流れだとこれ絶対自己犠牲で泣かすクライマックスじゃんね。やだあ。

●SSSS.DYNAZENON・8話。優性思想の人たちに把握される前の怪獣を得たならどうするか。怪獣のもとになるなら殺害すべきか。そんな逡巡のついでみたいなネタとして提示される、ヨモギさんが怪獣使いであることへの特性。アレっすかね、シズムさんがこっちに接触してきたワケはひょっとしてよもさん目当てだったとかっすかね。そんな不穏ネタの上にチセさんの「石」がすっげえ育ってる描写入れ込んでるし、ひょっとしてヤバいの? これ。…そういやナイトくん陣営も怪獣側だったし、ヤバいんすかねこれ。いやヤバいという状況の内容はよくわかんねっすけど。

最終的にはバット振りぬいたようなカタルシスを形成してくれるとは思うけど、今んとこ掘り下げて描写されてんないヨモさんがなんか危ういな。まあそれはそれとして、ムジナさんがオニジャさんとなんかすげえなじんでんのがほっこりはする。するけど、このまんまは終わらんだろうしなあ。とにかく一見乱暴者っぽいガウマさんがいちいちエエ兄貴してんのがほっこりしつつ「いなくなったら悲しいな」という情感を誘う。どうなることやら。

●バック・アロウ・20話。シュウは消滅し(ホンマか?)、リュートは崩壊しかけ、ルドルフには誰のどの攻撃も通用せず、アロウは世界の破滅者の役を無理強いさせられる、というヘコみ展開が前半。てことでそっからの物語的復活ラインだが、「凱帝ゼツが若返る」「アロウを武器としてゼツが使う」「グランエッジャが巨大ロボに変形する」というゼエタクな展開つるべ打ちのトリがビットだよ。タメにタメましたなあ。毎度ながら盛り込みが過ぎてトッピング全部乗せカレーみたいな脂っこさである。しかしいつか出るだろうなという期待の経ての堀内賢雄の若者演技はやはりいい。…若ゼツさん、首ふっといな!

メガロボクス2・8話。王者リュウと勇者マックの試合はマックのの勝利というそんな図式。ちょっとしたヒネリってのがこの場合、恵まれたレールの上に乗る王者と庶民からのヒーローという状況下で、主人公の対岸側に据えられてキナ臭い属性を付与されてんのがヒーロー・マックなのよね。その裏にあるのが巨大資本の思惑って時点で、この図式そのものがある程度の偽りをはらんでんですけども。…お嬢はどうしてもそっち側とからむことにはなるんだよなあ。しょうがないわな。あと、状況が状況ではあるんだけどガード無しで淡々と話してるジョーとユーリのシーンがいい。お互い同じ高みを目指した者同士だしね。

ゴジラS.P・9話。攻撃に反応してゴジラは自分のテーマBGMと共に目覚める。まだ我々の知る「あの」形態ではないからか、未だ前奏部分だけだけどね。紅塵を盛大に巻き上げて咆哮するゴジラの頭上には紅い紅いキノコ雲が立つ。それは「破局」の始まりだろうか…というところ。この破局ってのは単なる世界の滅亡ではなく、どうも時空間自体の消滅とかそんな無茶苦茶な崩壊のようだけど…シヴァの面々はそれに対してものすごく意識が軽いのだなあ。何だろうね、自分たちの研究を進めてりゃそんなもん何とでもなるという意識なんだろうか。一人わちゃわちゃしてるメイさん(とリー博士)の方がおかしいのか、という気さえするよ。

破局の一側面らしきクモの大軍から何とか逃げるユンさんご一統。ギリギリの状況ながらみんなと共に、ジェットジャガーも逃げられたことで今回はホッとする。声質とイントネーションのおかげで危機感が薄いんだけど、ここで退場してほしくないもんなあ。いや、最後までしてほしくないけど。とにかくレギオンソルジャーみたいな蟲相手にばったばったの大立ち回りがかっこよい、っつーか頑張れ頑張れと応援してしまった。いいパニック映画だねえ。

●SSSS.DYNAZENON・9話。ここまで引っ張ってきたチセさんの不穏な怪獣の種が、なんか割とエエ感じにみんなに迎え入れられた。黄金の竜ゴルドバーンは、ダイナゼノン及びグリッドナイトと三重…まあそれ以上のアレコレな合体やらかして敵のオーイシマサヨシっぽい人の怪獣をぶっ飛ばす。…なんかこう、負の感情育てて抜き差しならない対立を生み出すかなあと思ってたんだけどなあ。いや、みんな最後に花火で打ち解けてよかったね。…ヨモギさんの怪獣への親和性はそのまんま先送りだけど、こう見るとどこまで事を荒立てるのかはよくわかんなくなってきた。ギスギスしなくていいんですけども。

ガウマ隊長が怪獣バトルの危機中にも、ヨモさんとユメさんの関係性気にしてビームでツッコんでんのがすげえいい兄貴してるなと思う。実際ユメさんの姉をめぐるクエストはとても閉塞的な感情をもたらしているのだが(策越しに檻の中のようなカットで判りやすく演出するのがいいと思った)、その辺乗り越えてヨモさん…とチセさんがぶつかっていくのが青春してて好ましい。何とかみんな、明るく前向きに終わってほしいなと思います。怪獣優性思想の人たちもそうなんですよ、それはホントに。