裏世界ピクニック

●裏世界ピクニック・最終話。米軍との脱出作戦に立ちふさがるかんかんだらの人。いみじくも「田舎のヤンキーかよ」との台詞通り、メンチの切り合いの末に横合いからデカい車両でぶっ飛ばす、という怪異相手とは思えない戦い方が可笑しい。かんかんだらさんの正体? らしき直方体の組み合わせみたいのはあれ、何だろうね。なんとなくダオロス思い出したけども。

総評。日常のすぐ裏側にある危険で非常識な異世界へのアクセス…という魅力的な題材なんだけど、あと一枚ほどなんか私の好みには至らんかったなあ、という個人的印象。思い返せば普通にバラエティに富んだ連作話なのは間違いないんだが、どうも各話の印象が似通っててねえ。題材が都市伝説で裏世界風景が茫漠としてるから、ってワケでもないだろうけども。あと主人公二人の世界の「狭さ」。これは描きたい主題がそれでありそこに文句言うのは多分お門違いなんだけど、いささか不安定に描かれる彼女たちのじめっとした関係性が割と重くてめんどくさい。つまりまあ、この点にあっては単に私の趣味嗜好が合ってない、ってだけですわな。

全てのことに説明を与えず理に落とさない演出とか、割と物理で殴るというブルータルな解決法が正解だったりするとことか、既存の怪奇譚とはちょいと異なる味付けは割と好き。主人公二人がフツーに居酒屋でクダ巻いてる年齢設定もいいんだけど、それが余計に湿度増えてる感じになってるのも否めないけどね。ともあれ、楽しんだけどもいろいろ引っかかるとこがある、ってな感じではあった。うーん。