プリテンダー/魔女の旅々/体操ザムライ

●GREAT PRETENDER・20話。2話使って語られる、これまでの経緯。かつてのローランやお父んたちのすげえ起伏の話と、そっから陸続きで第1話の状況につながる構成がようできておられる。ま、この話がどこまで真実なのか(あるいは真実のどこまでが語られていないのか)は置いといて、アビーとシンシアがスカウトされてきたとこを見せてんのがいいですね。ローランがドロシーのために何ができるのか、ってのが裏側にあるんだろうけど、まそれはおいおいですな。…ドロシーが退場するに至ったシーンがそのまんま枝村の危機状況なのがドラマチックではある。

●魔女の旅々・9話。冒頭で「ちょっとキッツい描写があるよ」というテロップが表示される通り、結構ゴアかつビターエンドなお話。物語のメインツイスト(庇護対象である友人こそが犯人であること)についてはあまり隠されていない、というかそのドンデンにそれほど重きを置いてないんだろうな。絶望した魔女の人が「全てを無かったことにする」と言ったことが、魔法の代償として記憶を消費する事で成就されるという皮肉な平仄の合わせ方はよろしい。事件にガッツリ関わりながらも傍観者である、というイレイナさんの立ち位置は相変わらずいい距離感だが、なんかこう…この事件で泣いちゃうくらい入れ込む人でもあるんだな…と、失礼な感想が浮かんでしまった。いやそれが普通で真っ当なんだけど、消耗して暗い顔で去ってゆく、程度でもおかしくないなと思ったもんで。うん、失礼やねワシ。

●体操ザムライ・8話。中国からやってきたキティ・ちゃんについて。レイさんとあっという間に仲良くなるキティさんは、どうもマジモン富裕層で自分をしっかり持ってて人当たりが良くてよく笑って元気。つまりとってもいいお嬢さんである。彼女にアテられた形ではあるけれど、レイさんも自分のやりたいこと…アイデンティティについて考え始める。いい影響を受けたのだねえ。ついでにレオさんに対して「いつまでモラトリアムってんの」とチクリやったりもするのがソツがない。とにかく今回はこのキティさんの独立的な魅力ではあったなあ。あとレイさんの同級生さんのお母んに雨蘭咲木子。息子が三瓶由布子でこのお母ん、ってこれなかなかの押し出しだわな。強い。