虚構推理/ドロヘドロ/イド/映像研

●虚構推理・6話。まとめサイトより出し実体のない怪物を退治るには、その実体のなさを上書きしてやればよい。「合理的な虚構」さえあれば人はそれで納得する…という流れはヒネったミステリらしくてよろしい。そもそも真実自体が「現場見てた幽霊に聞いたら判りましたよ」という、いろいろどうでもよくなってくるギミックでありとても楽しい。九郎さんの「件」能力はやっぱり予知というよりは未来選択なのね。なるほど、シナリオがおひいさまで実働隊が九郎さんってワケか。いちいち死ななきゃならない九郎さんの、一種の現実感のなさが少々心配ではありますがねえ。

ドロヘドロ・6話。ニカイドウの攻撃で煙さんが暴走、そこらがキノコだらけになるあの状況は悪夢的だ。ひどい、というよりはホンマに夜中見る夢みたいな無茶さがある。んで何とかこっち帰ってきたニカイドウを処置し、その晩語られる心さんの過去話はこれが大概重い。平和な日々があっという間に悪意の澱のようなクソ世界に…って状況で、バウクスとカスカベ相手にはなんかちょっと抜けた話になってる、このシリアスへのどーでもよさが魅力だよなあ。にしてもカスカベ博士は正しくマッドサイエンティストの系譜やね。魔法使を研究できるなら他のことは割とどうでもよさそうだ。

●イド:インヴェイデッド・8話。百貴さんのイドに潜る二人の名探偵。ここでも安定して面白名探偵な穴井戸さんが面白すぎる。単独だと全く役に立たないが、今回みたいにサポートキャラとしてなら生きるってことだろうか。それって名探偵の役割なの? っつーとよく判らんけども。百貴さんのイドの中に更に存在するイド、これで本堂町/聖井戸さんへアクセスするという流れの中で、しかし百貴さんは罠だと言う…そういやあの殺意粒子がホンマに百貴さんのかどうかは判らんもんなあ。どうなんでしょうね。

●映像研には手を出すな!・7話。みなさんお待ちかねのお風呂回ですよお風呂回。とっても健全。ケンゼンじゃなくて健全。色ッ気ねェな! NHKだもんな! てことで、それもともかくメインテーマは水崎氏のアイデンティティの話。彼女がどうしてそこまで、偏執的といっていいくらいに動きそのものに拘泥するのか。…動きへの傾倒が、そのままおばあちゃんへの無邪気な交流のソースになってる辺りがとても優しい。

この辺も含め、動きへの情熱的な言及をアニメの物語として具現化するためにちゃんとリソース割かなきゃいけないのが大前提なので、メタ的にして険しい作品構造ではあると思う。週立てのアニメであそこまでロケット描写やるのは相当の調整が要っただろうなあと思うよ。気ィ狂った劇場作品であるオネアミスに遜色ないとはとても言わんが、心意気は充分に伝わる。それと身体の表現、水の表現。特に様々な水の作画は、それぞれいちいちおのおの注目に値するものであったと思う。ついでのお風呂バトルはほんのりアオイホノオのドラマを思い出した。

にしても出てくる車がどれもこれも古いよな! 今回出てきた軽トラはあの丸目はキャリイだな多分。後で確認しておこう。そういや1話の浅草家バンも緑のハイゼット(360~550㏄時代)だったよなあ。世界設定がほんとに2050年なら相当のクラシックカー。まあこないだ私も三輪ミゼット走ってんの見たし、シュミの人も多いんでしょうけどねえ。