ドロヘドロ/イド/映像研

ドロヘドロ・4話。今回もまあ、鴨肉とポルト酒と香味野菜をオーブンで焼いて作る生き人形だの、死体パーティで供される魔法使の死体から出てくる小さな悪魔だの、魔法によって空間を歪めた和風屋敷に住むバイオ系マッドサイエンティストジジイ(外見は10代)だの、奔放すぎるネタの連射連射。なんかこう、海外の変化球なファンタジィ小説というか、マジックリアリズムっぽさに唸るところ。

そんなディテイルとゴアでバイオレンスな雰囲気の上で、犬っぽい悪魔にメロメロで赤ちゃん言葉で世話してる煙さんとかナイスバディ(?)過ぎるノイさんの生き人形前に赤面しちゃってる心さんとか、いっちいちあざとい描写盛り込んでくるのは何というバランスなんだろうな。原作とアニメの尺からの要請でもあるんだろうけど、盛り込まれたネタの量に比してもサクサク進むテンポの良さがすげえ。このネタでもっと引っ張れるのに、贅沢だなーと思っちゃうよ。…すぐ死んじゃう死体パーティのダンナに子安、生き人形遣いにミキシンと、声優の使い方も妙に贅沢だな。

●イド:インヴェイデッド・6話。冒頭で今回分の事件そのものは決着。今回名探偵酒井戸さんが解決するのは、メタ的には視聴側の心の落ち着き場所を提示する為、と言えるかもしれない。母親を轢いてしまった電車に乗るも、しかしその電車は円環を成しどこにも行きつく事は無く、つまり乗り続けることで母親の死に会うことは無い。そんな永遠の夜行列車で、お互いに窓外に映った姿を眺めているだけの二人。「ここには事件はない」。その横で今回も救えなかったカエルちゃんに跪いて泣く酒井戸さん、夜の列車という舞台、すべてひっくるめて温度の低い叙情性が後を引く話だったな。

一方で本堂町ちゃんは着実に人外っぽくなってっておられる。松岡さんからかなり直接的に「お前もうこっち側の人間違うわ」と言われたのもまあ、しょうがないよねえ。当然そう言われてショックじゃないワケもないんだが、しかし彼女の進む方向はもう「そっち」しか無くなってるワケで。夕暮れの空をシルエットに立ち尽くす彼女の、アタマ部分を飛行機雲がぶっ貫いてるのが多少悪趣味に足突っ込んだカッコイイ演出だった。

●映像研には手を出すな!・5話。絵コンテに神戸守。この人ホンマに仕事の量と幅が大きいなあ。んで本編は巨大ロボ…てことは現実とロマンと虚構とのせめぎあいやるんだろうなと思ったらやった。映像研側とロボ研側でブレーンストーミングによってどんどん仕様が固まってゆくとこはある種の快感がある。最後に全員で「ババーン!」とかね。それにしても「ロボ研100年の歴史」ってマジかよ。未来のイヴって押井がらみの話でしか聞いたことなかったわい。あと金森氏は「(浅草氏は)会話が苦手だから妙な語尾で心を守っている」とか、そういう的確なことを言っちゃダメだと思った。こっちに刺さる。